ムソウノカキオキ

管理人の好きなこと(アニメ、特撮、オモチャetc)についてつらつらと語っていくブログです。色々遅いですが、よろしければコメントなどもお気軽にどうぞ

『映画 キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』観ました

遅ればせながら、『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!想い出のミルフィーユ!』を観て参りました。

休日と言うこともあって、劇場内では子どもさんが多く、賑々しい雰囲気でした。上映中にお喋りするようなことはありませんでしたけどね。

この辺は人それぞれ好みがある所かと思いますが、個人的にはお子さん達が楽しんでいるのが感じられて、微笑ましく思いながらの70分でした。

劇場版プリキュア独特のミラクルライトの存在も大きかったかな。

映画の内容としては、一番新しいプリキュアであるパルフェさんに焦点を当てつつ、この作品らしい、むしろ作品の原点に立ち返った内容になっていたように思えました。

・花の都で大騒動!

 プリキュアにかぎらず、『戦いモノ』の映画はピンチのスケールがTVよりもアップするか、そうでなくても誰かが害されるような展開になることが多いようです。*1

 しかし、今回の映画では、”町がお菓子になってしまう”ということ以上の危機は訪れていません。いや、それでも十分大変なことなんですが。

 物語後半ではパリ市民の描写が極端に減っている*2

 『キラキラ☆プリキュアアラモード』の序盤は、スイーツを狙う悪い妖精をプリキュアが懲らしめると言う流れだったので、この流れに立ち戻ったような展開と言えましょう。

 それだけに、今回の黒幕さんはちょっとかわいそうかなと思わなくもありませんが、あるべき形に戻ったとも言えるし仕方ないのかな。

 せめて、ラストのシーンが黒幕に対する救いになったと思いたいですな。 

 

 ・ジャン=ピエール

 シエル(キュアパルフェ)の師匠にあたる人物。

 この人の面白いのがほとんどずっと良いスイーツを作ることだけしか考えていないこと。

 他のことや人に関心を向けること自体が稀な人のようです。

 ともすると冷たい人のようにも見えかねませんが、そのブレないマイペースっぷりがギャグに見えるのが面白い。

 そんな彼ですが、シエルのスイーツ大会出場を知って駆けつけてあげるワケですから、シエル愛されてるなぁとほっこりしたり。

 

・魔法つかい!プリキュア

 豪華ゲストとして登場する先代プリキュア

  男性としては『仮面ライダーの映画で新ライダーが登場するシーン』を思い出しますが、ソレと違って先輩キャラの登場は商業的にはあまり旨味が無いハズなのにやってくれたのは(『魔法つかい!』のTVシリーズは未視聴ですが)嬉しい。*3

 変身シーンこそ無いものの、名乗りシーンがバッチリ用意されているのが素晴らしい。

 ”魔法つかい”という事で、作品に詳しくなくてもパリにいて違和感が無いのが良いです。*4

 それにしても、変身後の『魔法つかい!』達はザ・少女漫画とばかりにまつ毛まで美しく描かれた繊細なキャラクターデザインが、『キラキラ~』組とはまた違った方向性で面白いですね。アニメ作品同士のクロスオーバーの妙を改めて感じました。

 戦闘後もミラクルライトで後輩を応援していたり、エンドカードにもいたりしてくれるのが嬉しい。

 

・新コスチューム

 皆さんお待ちかねのスーパープリキュア!……だけでなく他の動物の姿に変えられたプリキュアたちの活躍もしっかり描かれているのが意外でした。

 元々の発想は、シエルにキュアキラリンと言う新コスチューム(?)があるのに他のみんなに無いのはどう?と言うところから来たのかもしれませんが、5人に良い見せ場が生まれたと思います。

 

・”いつもの”をドラマチックにする方法

 ある理由からパティシエとして、プリキュアとして絶不調になってしまったシエル。

 そんな彼女が終盤遂に復活します。

 この時の映像は、お馴染みのキュアパルフェ変身シーンとほとんど変わりません。

 ですが、そこに至るまでのプロセス、そして音楽によって劇的に演出されていました。

 結果として出されるものが特別なものでなくても、それまでの過程を丁寧に描くことで素晴らしいシーンになると言う、物語づくりの巧さが光った名シーンだったと思います。

 

・作って、食べて、戦って

 ジャン=ピエールに思いを伝えるためにシエルが仲間と作った思い出のミルフィーユ。

 そのデコレーションのための材料が無い……と言うときのいちか(キュアホイップ)の「キラっと閃いた!」にはおお!と思わず膝を打ちました。今までの流れをこう利用するかと。その後のデコレーションのビジュアルも楽しい。

 そして、逆転の鍵になるのがスイーツ、そして人と人との繋がりであると言うのが実に本作らしいです。

 

・シエルのやり方、ジャン=ピエールのやり方

 ジャン=ピエールは1人で究極のスイーツ作りに邁進しており、シエルにもそうしたほうが良いと訴えます。*5

 しかし、シエルは仲間を得たことで自分は強くなったと結論づけ、ジャン=ピエールにそれを真っ直ぐに宣言します。

 終盤の名シーンですが、ここでシエルはジャン=ピエールのやり方を完全に否定しませんし、ジャン=ピエールもシエルのやり方を否定しないのが良いと思いました。

 今のシエルのように仲間たちと力を合わせてパティシエとして高みを目指すことも尊い

 ですが、今回の事件でこそトンデモな結果をもたらしたものの、1人でストイックにスイーツに向き合うジャン=ピエールのあり方もまた素晴らしいように思えます。

 他者とともにチームで物事にあたること、ほとんど他者と関わること無く1人で物事に打ち込むこと。一見相反するようにも思えるあり方がそれぞれ否定されないと言うのは素晴らしいことだと思います。

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*1:春の映画『映画プリキュアドリームスターズ!』は後者でしたね。世界ではなく無辜の少女たちを守るためにプリキュアが頑張るお話でした。

*2:引きの絵と、ミラクルライトでの応援シーンくらいのですが、これは緊迫感を緩和する意図もあったんじゃないかと思います。

*3:新しいヒーロー・ヒロインならこれから先関連商品などをバリバリ展開する前の『宣伝』としての意味合いがありますが、先輩ヒーロー・ヒロインはそうしたマーチャンダイジングは既にほとんど終わっているハズなので。

*4:どうやってここに来たの?知ったの?という問いには「魔法です!」の一言で解決しますからね

*5:その発言にはジャン=ピエールなりのシエルへの思いやりがあったように思えます