ムソウノカキオキ

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fate/EXTRA Last Encore第9話 にわ感想メモ

 いやー良い最終回だった!と言いたくなる良い回だった。
 これまであやふやだった謎の多くが明らかになり、主人公が決意を新たにすると言う見事な燃え回。
 とは言え、相変わらず戦闘シーンの尺は短いが。具体的に言うと物語シリーズよりちょっと多い程度。ノベルゲーム原作とはいえ、『fate/』でここまで会話劇の比重が多い作品が出てくるとは思わなんだ。それもまたこの作品の味なわけだが。

 


 岸浪白野。セイバーの前のマスターであり、ハクノを構成する存在のひとつ。兎にも角にもタフな女性と言う印象が強い。何がタフって、「自分のことはいくらでも目をそらしていい」なんて容赦のないこと。誰にでも言えるようなセリフじゃない。だが、「彼女が憎しみを知らないなんて、ふざけたこと言ってくれたわね」と言う言葉は、過去の彼女自身への言葉でもあったのだろう。
 物語シリーズで磨き上げられた回想演出。「差し引きでは良い人生だった」と言うセイバー=ネロの言葉の半分は強がりなのだろうけれど、皇帝として慕われていたのも本当。その頃の姿が『FGO』で描かれてくれたのは本当に良かったことなのだと思う。
 第3階層で「希望を持って上へ上がる」と言った誰か(聖杯戦争の敗者)の記憶を見たというハクノ。それは、ハクノにとって大きな糧となったようだ。ハクノを構成するものをトワイスは『敗戦記録』と称したし、視聴者的にもまるで死者の妄念のように見えたこともあった。
 しかし、今回死者ののこした思いや希望であると言う見方もあるだろうとも思った。だいたい、人間の感情なんて面倒くさい/複雑だ。死者の、人々ののこした感情を、よきものとわるいものに明確に切り分けることなんてできようか。
 シリアスな局面でも愛らしさやコミカルさを忘れないセイバー。重苦しくなりがちな本作にあって、彼女の存在はまるで一筋の光のようだ。
 生きていた(?)ラニ。前回登場したもうひとりのバーサーカー呂布)は彼女の差金っぽい。てっきり『闊歩している』本来のバーサーカーなのかと。諸々の設定を深読みすると、李書文が本来この階層にいるべきサーヴァントの立ち位置を奪った……ということなのだろうか。
 凛が「元気でね」を言い直した辺り、ラニも凛もハクノとはまた違った意味で『死んでいる』存在なのだろうか。
 本気で最後まで台詞らしい台詞が無かった書文先生。非っ常に残念ではあるが、メインはハクノ対ユリウスである以上是非もない。
 ユリウスとの再戦。ハッキリと「人違い」と言い切るハクノに、彼がアイデンティを確立したことが感じられて格好いい。その後、倒れるビルの上や空中でもしっかり足を踏みしめていたのも、格好つけの演出というよりもハクノが『立ち位置』を確立したことの象徴のようにも見えた。
 ユリウス、前回の感想で思い切り名前を間違えていて申し訳ありませんでした。しかし、岸浪とは全く心通わせなかったな、この人。あくまでも、もうひとりの死相、ハクノの超えるべき壁的な立ち位置な訳だ。

 次の階層はまた不穏な雰囲気。順当に考えると、フロアマスターはユリウスの弟さんなわけだが、果たして……。