ムソウノカキオキ

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平成ライダー歴私観感4~『剣』、『響鬼』編~

 平成ライダー思い出自分語りこと『平成ライダー歴私観感』。今回は『平成ライダーファン』と言う存在が、より厚く&厚くなってきたことを感じさせる『剣(ブレイド)』と『響鬼(ひびき)』編です。

 

仮面ライダー剣
 それは、人々を守る切り札となった男の物語
 『仮面ライダー剣』は第5作にしてシリーズ総決算と言わんばかりに過去作品のエッセンスを意欲的に取り入れた作品でした。
 『クウガ』から続く殺人怪人、『アギト』から続くライダー同士のぶつかり合い、『龍騎』のようにカードでの戦い、『555』のような人間と怪人との友情譚。
 『555』と異なり、本作の怪人アンデッドは太古に封印されたという考え方から人間と異なる存在。それが人間に(精神的に)近付いていくドラマも見どころでした。
 ……が、本作を語る上で欠かせないのは『オンドゥル語』でしょう。
 「本当に裏切ったんですか!?」が俳優の滑舌の悪さから「オンドゥルルラギッタンディスカ!?」とまるで外国語を話しているようにしか聞こえない!とばかりにファンの間で悪乗り的に名付けられたインターネットスラングオンドゥル語
 『何かと裏切られる橘さん(仮面ライダーギャレン)』、『「だが私は謝らない」などのとんでもない印象的なセリフ』などなど、盛り上がりと同時に冷静に考えるとちょっぴりおかしい展開もオンドゥル語をはじめとした”ネタ的な”受容を加速させたように感じます。
 仲の良い俳優陣もそうしたネタに乗っかってくれたこともその一因でしょう。
 これは、ファン同士のオンライン上のやり取りが活発化したことの象徴のようにも取れます。
 その後も、インターネットの普及も相まって、ネット上でのファンのやり取りではオンドゥル語をはじめとした”ネタ要素”を活かした会話がより活発に見られるようになった印象があります。
 もちろん、ネタ的な要素だけではなく、『キメるときはキメる橘さん』、『まさに最強と言うたたずまいの仮面ライダーブレイド・キングフォーム』、『あの最終回』など、アツい展開が多くみられた作品でもあります。
 ネタ面でも熱血面でも爆発力の高い作品と言えるでしょう。

仮面ライダー響鬼
 それは、ある師匠と弟子の物語
 『仮面ライダー響鬼』は『完全新生』のキャッチコピーのもと、『クウガ』的な凝ったディテール(設定描写)や響鬼の外見から、シリーズの中でも特に異端の存在として誕生した印象があります。
 今思えば、こうした作品さえシリーズの一員としてすんなり受け入れられることこそが『平成ライダーシリーズ』の特徴の象徴のように思えてなりません。
 主演の響鬼(ヒビキ)役に当時ベテランであった=『若いイケメン』でない細川茂樹氏を起用。ヒビキに憧れる少年、明日夢(こっちが若い美少年)を第2の主人公として彼らの関係性を軸となると言うバトル一辺倒ではない、今までとは一味違った物語が展開されました。
 と、言っても単に奇をてらったと言う訳では無く、特撮ヒーロー作品として様々な要素を意欲的に取り入れていました。怪獣のように巨大な敵、ライダーキックではなく音楽の力=音撃による必殺技などなど。
 凝ったディテールとうまく噛み合った商品展開として、ヒーローをサポートする小型メカ『ディスクアニマル』が登場。作中での活躍はもちろん、CDのようなディスク型からさまざまな動物に姿を変えると言う面白さもあり、好評を博しました。後のシリーズでもディスクアニマルの要素を持ったアイテムは登場することになります。
 歴史的マニア的にはしばしば語られるのがプロデューサーと脚本家の変更”事件”。
 『クウガ』で辣腕をふるった高寺プロデューサーと脚本の荒川稔久氏から、『アギト』以降多くの作品に携わった白倉伸一郎プロデューサーと脚本の井上敏樹氏へ。
 作風も、響鬼明日夢の関係性と言う軸を保ちながらも、ディテールにギッチリ凝るものからドラマを動かす方向へと大きく舵を切った、と語られることが多いように思います。
 このスタッフ変更の真相は杳として知れませんが、一つ言えることは、この出来事が語られているということ自体が、画面に映らないスタッフの存在を多くのファンが注目するようになっていたということでしょう。