お久しぶりです。
今回扱っていくのは、『平成ライダー』の展開が大きく広がっていく『カブト』と『電王』の時期。『the first』のお話もちょっとあります。
それは、東京タワーの下で繰り広げられる”ニンゲン”たちの物語
『仮面ライダーカブト』は『響鬼』からより王道路線に戻したように見える作品としてスタート。
『オレサマ系』で料理上手な主人公の個性を前面に押し出しつつも、次々に参戦してくる仮面ライダーの変身者も主人公に負けず劣らずの個性派。
その時々によっては彼らの個性がメインストーリーを侵食強い影響を与えることも多々ありました。
奇人変人の闇鍋ともいうべき様相は『平成ライダーらしさ』を濃縮しつつも、それがワンアンドオンリーの個性となっていることが『カブトらしさ』と言えましょう。
変わり者のライダー達が大暴れするだけではなく(いやそれでも大体正しいのですが)、仮面ライダーカブトと仮面ライダーガタックの友情や、カブトの家族の物語と言ったバックストーリーをきっちり描き切らんとしたことも印象的でした。
本作の新しいポイントとしては、『響鬼』に続いてライダーたちが必殺技の名前を言うことでしょう。叫ぶというよりも呟くと言った風ではありますが、技名を言わないことが当たり前だった平成ライダーの中でも変身もライダーキックも言うカブトの誕生は大きな変化と言えます。
そして、この年の一つの事件としては映画『仮面ライダーthe first』が公開されたことでしょう。
この映画は、初代仮面ライダーを現代=平成ライダーのスタッフで制作しする(ついでに当時流行の恋愛映画の要素をブチこむ)と言う作品でした。
作品自体は続編『the next』が制作されるのみにとどまりましたが、この時期には昭和ライダーとは異なる『平成ライダー的なるもの』と言うべきものが作り手の間にも確立されつつあったことがうかがえます。
それは、時の運行と人の想いを守る、人間とイマジンの物語
『仮面ライダー電王』は、2話完結の人情話、コメディといった要素が強化。これまで『仮面ライダー』を観たことの無い人でも見やすい印象の作品でした。もちろんそれは、シリアス要素が薄れたと言う意味では全く無いのですが……。
それはともかく、一番のポイントとしては、モモタロスをはじめとする味方イマジンの仮面劇。
担当声優と着ぐるみを着るスーツアクターの両者の手腕により、コワモテでありながら愛すべきイマジン達のキャラクターが織りなされました。
特に、電王やモモタロスのスーツアクターである高岩成治氏は文字通り全身で4人のキャラクターを表現する電王・クライマックスフォームを熱演。
アクター陣は、本作のイベントからキャスト陣と共に登壇することもありました。(もちろん、素顔で)
『電王』を契機としてスーツアクターへの注目度は爆発的に上がったと言ってもよいでしょう。
『電王』の人気はそれだけでなく、放送後にも映画『仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事』、『超・仮面ライダー電王』をはじめとする様々な作品が作られました。
『Vシネクスト 仮面ライダージオウ NEXT TIME ゲイツ、マジェスティ』など現在にも続くTV放送終了後のメディア展開はここから始まったと言っても過言ではないでしょう。