ムソウノカキオキ

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Youtubeオリジナル『OBSOLETE(オブソリート)』感想~ロボットアニメに何を求めるのか、その分水嶺~

 YouTubeオリジナルのアニメ作品『OBSOLETE(オブソリート)』を観ましたので感想を書かせて頂きます。

project-obsolete.com

 


 『OBSOLETE(オブソリート)』は原案:虚淵玄、制作:スタジオ・武右ェ門によるオリジナルアニメ作品。現在、『Youtube』にて全話無料公開されています。
 1話15分弱。現在1~6話までが公開され、2020年冬にシーズン2(7~12話)の配信が発表されています。
 本作は、『エグゾフレーム』と言うロボットが普及しつつある地球の姿をオムニバス形式で描くリアルロボットアニメ。
 何より目を引くのがリアルロボット『エグゾフレーム』のストイック&ユニークな描写。
 エグゾフレームとは、石灰1トンを代金に宇宙人からインスタントに購入可能な、2.5メートルのロボット。グリップを握るだけで誰でも自由に操作可能。
購入したばかりの『素体』から用途に応じて、まるで馬に鞍や馬車をつけるように改造することもできます。
 そんな便利で奇妙なシロモノに触れた人類がどう対応/活用していくのか。
 そしてエグゾフレームは何ができて、なにができないのか。
 エピソードを観ていく中でそれが段々と呑み込めていくのが本作の魅力と言えます。
 フルCGと言うスタイルも線が多いデザインで、また人間のようで人間でない動きをするエグゾフレームの描写にうってつけです。
 一方で、本作のロボット描写は”リアルロボット”を描くために、非常にストイック。
 ヒーロー的な決めポーズ、ド派手な必殺武器、手に汗握る格闘戦、そしてカタルシスのある勝利。
 こうしたものがゴッソリ削り落されています。
 代わりに、泥臭い描写や、ロボットが”ありそう”というリアル感、そして洋画・ミリタリー映画的な世界にロボットが持ち込まれることの奇妙さといったことが描かれています。
 正直、一般受けは捨てている作品だと思います。
 僕自身、ロボットプロレスを避けに避けた作りにいささか物足りなさを覚えました。
 しかし、この作品を観たからこそ、自分がヒーロー的なロボットアニメに馴らされ、いえ、それ以上にヒーローロボットが好きであることを実感できました。
 この作品が刺さるか、そうでないかは人それぞれ。
 ですが、この作品を、良し悪しはさておき、受け止めることで、自分がロボットアニメになにを求めているのかを振り返ることができる。
 そんなガツンと来るパワーを感じました。
 1話15分弱とエグゾフレーム並にお手軽に視聴できるので、まずは1話、ご覧になってはいかがでしょうか。