現在上映中の映画『シャン・チー』を観てまいりましたので、遅ればせながら簡単に感想など。
まず、シャン・チー(シム・リウ)とケイティ(オークワイナ)の悪友コンビの、”普通の人”らしい雰囲気が良かったですね。
観ていて、どこかですれ違っていてもおかしくなさそうな、なんなら今日電車で一緒になっていた外国人がショーンとケイティかもしれない、くらいの身近さを感じる雰囲気が出ていました。
マーベルヒーロー映画って、美男美女や頭の良い人たちが大暴れ!みたいなイメージがあったので、本作のような雰囲気はなかなか新鮮でした。
いや、イケメンがキメ顔でビーム撃つのも言うのも好きですけど(笑)
もちろん、シャン・チーの過去はアイアンマンやキャプテン・アメリカに勝るとも劣らないくらいヘビーなものです。
しかし、演じるシム・リウさんが醸し出す雰囲気から、身近な存在として―――それこそ自分の友人のように感情移入しやすかったり、身近な問題として考えられる適度なリアルさが感じられました。
脚本や演出の妙もあるのでしょうけれど、シャン・チーは他のマーベルヒーローと比べて『悲劇的でドラマティックな過去の持ち主』と言うよりも『ごくありふれた(しかしそれだけにヘビーな)難しい家庭環境で育った青年』と言う印象が強く残りました。
ドラマチックな綺麗どころ担当は、シャン・チーの妹のシャーリン(メンガー・チャン)の担当。ですが、この役者さんも良い表情を見せてくれるんですよね。
基本的には、マンガチックな悪女だぜ!みたいな雰囲気を醸し出しながら、家族に対する複雑な思いをふと覗かせる姿が魅力。
そして、個人的なMVPはシュー・ウェンウー(トニー・レオン)。
彼が悪役・ボスキャラとして理想的だったのが良い。
格好良い。
強い。
賢い。
格が違う。
傲慢。
スーパーパワー。
余裕がある。(内面はガタガタ)
そして、
格好良い。
もちろん、他の登場人物と同じく、人間的な弱さの描写もありますが(それがさらに彼を魅力的にしている)、それをさしひいてもトニー・レオン、もといウェンウーがとにかく格好良い。
格好良いトニー・レオンをみる目的で映画館に行っても良いくらいです。
そんなクールなお父さんから、いかにもキー・アイテム(ヤバイ方)っぽいテン・リングスを受け継いだシャン・チー。
イケメンヒーローがひしめき合う中、彼は今後その力をどう使うのでしょうか。