第2クール突入直前ということで、『fate/apocrypha』第1クール終盤のざっくり感想をば。
・大義なき開戦
聖杯戦争でサーヴァントが英雄ヅラしているのはどうにも好きになれません。
こんなこと言うと多くのfateファンを敵に回してしまいそうですが、一個人の好みの問題は仕方が無いのかもしれません。
もともと、1組のマスターとサーヴァントが願いを叶えるために、他のマスターやサーヴァント、さらに場合によってはその他の人々を犠牲するというのが聖杯戦争の基本構造なワケですよね。
聖杯大戦の場合、その犠牲者にはホムンクルスさん達も含まれているワケです。黒陣営は戦力として、赤陣営は敵兵としてその命を奪っている。
個人的に、この状態を手放しで正しいとは言いづらいわけで。
自分のパーソナルな願いのために他の命を犠牲にしながら、まるで高潔な英雄であるかのように振る舞うサーヴァントの姿は、まるで犠牲を無視しているかのように見えて好きになれないんですよね。
だからこそ、自分の願いのためなら弟子を犠牲にする覚悟を決めたケイローンを始めとしたストイックなサーヴァント達の格好良さが際立ち、正義も悪もなく好き勝手やっているスパルタクスたちがいっそ清々しく見えるわけですが。
さらに言えば、聖杯戦争の基本構造から外れた所にいるからこそジークがメイン主人公足り得るのだとも言えます。
・令呪
マスターにとって重要なカードである令呪。
第1クール終盤ではその使いぶりに焦点が当たりました。
ある者は自分たちの戦いを有利に進めるために、ある者はサーヴァントのために、ある者はサーヴァントを従えるために。
そうした使いぶりを見せつつ、ジークの令呪変身こと竜告令呪の使用や、ダーニックの宝具強制使用を物語のハイライトに持ってくる構成は巧みだと思います。
・フランケンシュタイン
第1クール終盤の中でも劇的な散り様を見せたフラン。
主役では無いながらも、マスターとの交流や彼女のキャラクターとしての魅力が十分に描かれていたことを改めて思い知らされました。
普段ゲームで使っている決め台詞は、こんなにも劇的な使われ方をしたものだったとは……。
・黒のアサシンチーム
黒のアサシン、ジャック・ザ・リッパーと六導玲霞のチーム。
第1クールでは物語の裏で凄惨な殺戮の限りを繰り返す不気味な2人ですが、不思議と”イヤな奴ら”という印象をあまり持たない不思議。
実際、制作サイドもこの2人が嫌われないように気を使って描いているように見えます。
丹下桜さんと中原麻衣さんという、それぞれメインヒロインを務められるようなキャストを抜擢していますし、加えて作中描写としては今のところ殺戮した”後”のみを描いている=殺害中を描写していないと言うのも大きなポイント。
・天草四郎時貞
登場時点から「サーヴァントなのに何やってんの!?」状態だったシロウ(四郎)。
なるほど要は『最初のサーヴァント』、『stay night』のギルガメッシュの立ち位置だった訳ですね。
コトミネ姓だったことにも十分な意味があったと。
ドラキュラ=ダーニックを下した呪文は、『stay night』で言峰神父が使ったものだそうで、つくづくこの作品はファンサービスに満ちています。
それにしても、他のサーヴァントにとっては厄介な相手も、神父(魔性特攻持ってそう)にとっては呪文一発で倒せる相手とは、つくづく『FGO』は相性ゲーですね(違)
・アストルフォ
少女のような姿をした、いわゆる『男の娘』なビジュアルとは裏腹に凛々しい男ぶりを見せるアストルフォ。
個人的に、”男の娘”という属性は不勉強な点が多いのですが、本作でのアストルフォはビジュアルと裏腹な格好良さのギャップが魅力なキャラクターだと感じました。
ヒロインの1人、との声もありますが、コレはむしろ主人公(ヒーロー)と呼びたい所。
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