ムソウノカキオキ

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FGO『虚月館殺人事件』感想

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(fate/grand order より)

 『fate/grand order』脱出ゲームとのコラボイベント、『虚月館殺人事件』を最後までクリア致しましたので感想を書かせていただきます。

 ヘンに捻くれた展開もなく、最後まで推理小説の王道を行く展開で、個人的には良かったです。

 以下、ネタバレ注意。

 と、言うよりイベント未プレイの方は絶対に見ないでいただきたい。

 推理モノほどネタバレ特攻なジャンルもありませんから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 全体の感触としては、第1.5部『セイレム』での劇中劇に近い感じで、サーヴァントの姿をした別人の登場人物が演じる人間ドラマは普段とは違った印象で面白かったですね。

 

 この辺りの恩恵を一番受けたのはヒロインのジュリエット≒ステンノさんでしょう。

 他の姉妹たちよりも神様よりという特殊なキャラクターということもあって、今まで見せ場が少なめだったところが、”神様”というシバリを無くしたジュリエットとなったことで一気に人間らしい表情を見られたのは新鮮でした。(いや、ホントは逆なんですが)

 序盤からステンノさんと共に人理修復をやってきたマスターとしては非常にありがたい限り。

 

 ほかの登場人物で印象的なのはケインです。その奇矯な言動とルックス(いやメッフィーのせいなんですが)により途中まで”あからさまな犯人役(ミスリード)”であり、最終的には意図せずして物語を始める役と終わらせる役を担っていたという。

 彼にメフィストフェレスを当てはめた主人公の無意識に、メフィストに対する深い洞察が感じられます。

 あとケイン、自分と同じこと=こちらで書いた主人公ボーイフレンド&犯人説考えていたのにクスリと。最初彼(彼女?)にボールをぶつけた時点で、殺人犯人とまではいかないまでも警戒していたんだろうなぁ、ケイン。一応、主人公(の依代)の性別は明言されていませんが、婚約を控えた姉がやたら親しげな部外者を連れてきたとなるとさもありなん。

 

 他のキャラクターも、どうしてそのサーヴァントが当てはめられたのかと思うと妄想がはかどります。それに、彼らの中には完全な悪人はほとんどいなくて、推理要素を抜きにしても楽しめたのは彼らのおかげでしょう。(いや、やらかしてるヤツはやらかしてますが)

 

 カルデアでのやり取りも楽しくて、癒やし役のマシュはもちろん、第1.5部『新宿』で一番楽しんだホームズと新宿のアーチャーとの掛け合いも堪能できました。

 しかし、第1.5部を通してアーチャーが丸くなったこともあってか、ホームズとどっちが悪人なのかわからないような場面も多かったなァ……。

 

 推理小説としてはそこまで難易度高い感じでもなく、ミステリ慣れしていないプレイヤーの方々でも適度に盛り上がれるいい塩梅だったのではと。

 

 解決編では主軸の謎以外に細々した部分が残った感はありますが、ホームズの御高説を長々聞いていてもタイクツですし(笑)ゲームとしてはあれくらいでちょうどよかったと思います。

 

 また、ミステリ慣れしていないプレイヤーへの配慮としてか推理モノのお約束のいくつかにキチンと理由付けと説明をしていたのも好印象。

 ”読者への挑戦状”役として色々補足してくれるシャーロック・ホームズはもちろん、

 1.なんで素人の主人公が探偵役をするの&できるの?→「どう見ても犯人じゃないし、部外者だから」というお墨付きを第三者からもらったから。加えて主人公は(皆は知らないけれど)殺人事件くらいで動じないレベルの修羅場を体験してる。

 2.なんで人が死んでるのに他の連中は普通にしていられるの?→反社会的な家業のため、人死には比較的縁があるから。加えて最初の被害者(笑)が見ず知らずの探偵だったことも大きいか。

 3.なんで名探偵なのに事件を防げなかったの?→事件が起こった後からしか介入できない事情があったから。(その事情にレイシフトを絡めたのが実に『FGO』らしい)

 3に関しては、伍さんの「こいつが本当に名探偵なら……」という指摘がご尤もなところもあるんですが。

 第三者から見たらあの探偵、「何が起こっても解決してみせよう」と言っておきながら、人が死んでるところを高見の見物決め込んで、最後に涼しい顔で美味しい所を持っていっただけの人ですし。

 ……推理小説の名探偵っていくらかそういうところあるわけですが、文字に起こすとひどいですな、今回のホームズ。彼らしいっちゃ彼らしいんですが。

 

 さて、今回のイベントが本筋と全く無関係な出来事かと言えばそうでも無い気がしていて、今回の件を通して主人公&プレイヤーが第2部を戦い抜く動機が増えたんじゃないかと思います。

 第2部で世界は大変なことになっていて、『虚月館』の関係者が存命だと思うのは希望的観測にすぎるかもしれませんが、それでも彼らのために、彼らが必死に生きあがいた世界のために戦うことは価値のあることなのだと改めて感じました。特にお美しいジュリエットのために!