ムソウノカキオキ

管理人の好きなこと(アニメ、特撮、オモチャetc)についてつらつらと語っていくブログです。色々遅いですが、よろしければコメントなどもお気軽にどうぞ

『Fate/Extra last encore イルステリアス天動説』にわ感想

 ずいぶんと遅くなってしまいましたが、Fate/Extra last encore イルステリアス天動説』=最終回の感想をば。

 『fgo』では第2部2章の感想も書ききれてないというのに新イベントが発表されたし、世の中の流れに遅れまくってるなぁ。

  しかし、遅れてきた終幕の物語の感想は、たとえ遅れてでも書くのがマナーのなった客というものでしょう(言い訳)

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(以下、ネタバレ注意)

 ・レオとガウェイン

 レオ、遅れてきたレギュラーキャラみたいな立ち位置に。

 最後発の登場ながら、己を律した冷たい印象と、最終決戦の辺りの素を見せた飄々とした姿……と急展開するストーリーの中で、十分に魅力を発揮していたのではないでしょうか。ホント状況によって印象が変わるヤツだなぁ。

 ガウェイン。ギャグシーンで残念なイケメンになると評判ですが、同時に円卓の騎士の中でもトップクラスの実力者。その上、スキル「聖者の数字」(=太陽が出ている間はバカ強い)を持つと言うバスターゴリラ。『fgo』第1部第6章では苦労させられました(笑)。

 この「聖者の数字」、本作では失われているとされていますが、そもそも第7階層は夕方だったり、最終決戦の場には太陽が無かったりとそもそもスキルを発揮する機会が無いというような描写。

 とはいえ、今回は庭師から復職してからは騎士としての面目躍如というべき大活躍。ハクノとネロを最下層まで叩き落とすわ(物理的に繋がってるんですね、あそこ)、天輪聖王のビームとガッツリ打ち合うわと、伊達に”エクスカリバー”の名を持つ宝具を持っていませんね。っていうか本当に力が失われているのかと。

 

・栞

 最下層に叩き落とされるという大ピンチに対して、7話で手に入れたアイテムがまさかの突破口に。

 個人的に、『オブリトゥス地動説』で一番ガツンと来たのは『ありす』編だったので、それが今になって新しい意味を持ってくれたのは非常に嬉しいです。

 

・トワイス(死相)

 白野にフラれた後、死相となっていたことが明かされたトワイス。

 それにしても、レオといいトワイスといい、自分一人で数多いる人類の未来を決定しなくてもいいのに。どうしてどいつもこいつも顔も知らない誰かの面倒を背負おってるぶろうとするのか。

 死者の幽霊というのも妙な話ですが、再度死んでしまったからこそ、人類滅亡(と言うとチープですが)に妄執してしまったのかも。

 そう言えば、最下層でハクノを祝福するトワイスが出てきましたし、死相のトワイスはあくまでトワイスの一部でしか無いのかも?

 各階層にトワイスの幽霊がいるとかよくよく考えなくてもホラーですが。

 

・「逆だろ。”1000年かけても滅ぼせなかった”と言い直せ」

 人類は愚かだと長々くどくどと手前勝手な言葉を並べるトワイスに、ハクノが食らわせた痛烈な一言。

 シンジ戦の「ゲームチャンプなんだろう?」に始まる、ハクノのキレッキレな啖呵の集大成とも言うべき一言。

 生きる意志を獲得したハクノに、トワイスの語る死者の言葉は敵わない。 

 

・凛の戦い

   尊い戦いを続けた者と、凛の戦いを賞賛するハクノ。

 1000年もの間苛烈な戦いを続けてきた 彼女にとって、自分の戦いを肯定されたことは、聖杯にたどり着いたこと以上に嬉しかったのではないでしょうか。

 

・「死者に生者は掴めない、か」

  ラスボスでありながら、「一々相手にする必要はない」とハクノからまさかのスルーをされたトワイス。

  しかしだからこそ、原作ゲームに無かった、この敗北宣言を引き出せたと言えましょう。

 

・ハクノの願い

  原作ゲームシナリオ集を読んでいたこともあり、実に『Fate/Extra』らしい選択だナとしみじみ思いました。

 自己を確立した主人公が、ヒロインに未来を託す。原作ゲームにおいて岸浪白野が選んだ結末と奇しくも重なるものとなりました。

 このハクノというキャラクター、原作ゲーム『Fate/Extra』の主人公とは全く異なる境遇ながらきちんと”らしい”テーマを体現しているのが素晴らしい。

 死んでいった者、敗けていった者達の思いに良くも悪くも支えられ、新たなアイデンティティーを確立していくという様相を原作以上にストレートに活写されているんですよね。

 それにしても、原作ゲームからして封印されるものだった月の聖杯が、キチンと聖杯らしく使われるというのは不思議な気もしますね(笑)

 別作品でも聖杯と呼ばれるものは汚染されたり、書き換えられたりとロクなものじゃないのが通例のようなのですが。

 

・Cパート

 その場所が地球上なのかセラフの中なのかは分かりませんが、ともあれハクノの願いは叶えられ、人類は新しい生活圏を得ることができたようです。

 どこであれ人類の道行きは今後も決して平坦では無いでしょうが、色々あったがめでたしめでたしということで良いんじゃないでしょうか。実にセイバー=ネロが好きそうなエンディングということで!

 ところで全く関係ありませんが、金髪凛のラストカット。あんなヒールで坂道を全力疾走したら転んでしまうんじゃないかといらぬ心配をしてしまったのは自分だけでしょうか(笑)

 

・さいごに

 全体を通して敢えて苦言を呈するなら、アニメ作品としては、ただでさえ謎ひっぱりな展開な上に、単純に分かりづらい所もしばしば見られ、混乱することも多かったです。(いきなり回想シーンに切り替わったりとか)

 しかし、階層が変わるごとにそれぞれまるで異なるアニメのような背景美術や映像美、それらが作り出す『シャフト』さん特有の雰囲気に魅了されることもまた多かったです。

 そして、原作ゲームのテーマをしっかりと継承したストーリーは、訳の分からないなりに自分の胸へしっかりと胸に刺さりました。

 各階層のマスターの物語は本気でしんどいものでしたし(第4階層のマスターは飛ばされて正解だったと今でも半分本気で思ってます)、結末は手放しでハッピーエンドとは言い難いですが、それ以上にとても尊いものだったと感じました。

 全部観た視聴者にこうして何か残るものがあれば、勝ちなんじゃないでしょうか。

 改めて、岸波ハクノ、そなたの戦いに万雷の喝采を!