(『fate/grand order』 より)
ゲーム『fate/grand order』最新章『人智統合真国シン』をクリアいたしました。
今回は戦闘が特に難しかった印象でした~。
まぁ、自分がガンガンにコンティニューかけたというのも理由ではあるんですが(苦笑)
戦闘はどうにもへたっぴです。
肝心のストーリーは……やはりというべきか第2部らしく色々と考えさせられました。
(以下ネタバレ注意。未プレイの方は御覧にならないでください)
・まずは
脚本が虚淵玄先生ということでしたが、予想よりもドロドロしていなくて良かったなと(ドロドロ苦手)
ただし、ヒナコさんはひどい目に合いまくる、というお話でした。
とはいえ、第2部の前提としてみんなが幸せなハッピーエンドにはならないことは確定していたので、やっぱりビター。
ココで「思ったより後味が悪くなかったな」と言ったら、マヒしちゃダメな感覚がマヒしてしまってるやもしれません。
・オトコとオンナと
今回は兎にも角にも、男性キャラクターたちが格好良く生き、そして散っていく様が印象的でした。
それぞれがそれぞれの生きざまを貫き、そして多くが満足して散っていく。
その一方で、秦良玉や虞美人といった新たな女性キャラクター達は心に傷を負って最期を迎えており、彼女らは男どもの戦バカ戦乱の時代の被害者といった面が強く感じられました。
それを考えると、カルデアサイドに『女性らしい女性キャラクター』があまりいなかったのが面白いところ。ダヴィンチちゃんは中身がアレですし、モードレッドや哪吒は性別に触れること自体がデリケートですし。
・始皇帝
いろいろと裏を読んでいたりしましたが、今回の異聞帯の王はストレートに始皇帝でした。(ただしメカ)
暴君と名君を両立しているあたりは、なんとなく賢王ギルガメッシュを突き詰めたような感じ。
決して手放しで善人とは言い難いものの(実際、荊軻さんは終始敵対姿勢)、私利私欲だけでなく民たちをきちんと管理していたりと、不思議な魅力のあるキャラクター。
個人的に、以前『「世界征服」は可能か?』(著:岡田斗司夫)という本を読んでいたこともあり、世界征服を果たした人物として見ても面白かったですね。
それだけにこの人の意思=異聞帯の未来になってしまったワケで。
ここからは深読みというより妄想なのですが、この異聞帯が剪定されてしまったのは、始皇帝が心のどこかで「自分の支配するところは”ここまで”で良い」とおもってしまったからなんじゃないかなと。
地球の民全てを支配して、宇宙にあるかもしれない新天地への道を長城で閉ざしてしまった時点で、始皇帝は無意識のうちに”妥協”してしまったのではないかなと。
実際、作中の政策は非常に保守的でした。かつて世界統一に向けてバリバリやっていたとは信じられないほどに。
作中でこそエネルギッシュな人物に見えましたが、それはクリプターやカルデアという外からの来訪者が彼を刺激したから、というのも大きいんじゃないかなと。
・コヤンスカヤ
今までバレバレだけど謎の人物だった彼女にも少しずつ
一時的に的にとは言え、彼女が味方になるとは。
彼女なりのポリシーも見えてきましたが、それでも実際邪悪なことには変わりないので、いずれキッチリと決着をつけたいところ。
しかし、彼女の拷問シーンはストーリー的にあんま必然性が無かったような……。虚淵せんせーの趣味の被害者
・80年代?
そんな始皇帝やシンの文化は作中レトロ、サイバーパンクなどと評されましたが、個人的にはちょっと違和感を覚えました。
と、言うのも古代中国の華やかさとメカニック感を組み合わせた作中のビジュアルは、むしろ”新しい”ものに映ったからなんですよね、個人的に。
虚淵先生のイメージとしては、少し昔のサイバーパンクな世界(『AKIRA』とか『攻殻機動隊』辺りかな?)の無骨なメカニックと古代中国の英傑が並び立っている……というような感じだったのかもしれません。
ゲーム中のビジュアルも素晴らしかったですが、上記のようなバージョンも観てみたかったような気がします。
・世界の大きさ
今回の異聞帯の民たちは、北欧の異聞帯の民とほぼ同様に、名君によって家畜のように管理される存在でした。
リッパな統治者であっても(北欧の異聞帯は事情があったとはいえ)人間を人間として管理できなかった、家畜という形に変えてどうにかこうにか統治できるようになっていたということは、世界や人間というものはたった一人の個人には手に余る存在であるということなのかもしれません。
それだけに、今後の異聞帯では共和政や民主政をとっている異聞帯も見てみたい気がします。
・『間違いではない』異聞帯で
今回の異聞帯は問題こそ大いに抱えていたものの、世界平和を実現した世界でもありました。ぶっちゃけ、あの世界の民として産み落とされたら満足して人生を終えていた自信があります。
その異聞帯よりも汎人類史は善い』世界なのか、世界平和を成し遂げた今回の異聞帯を潰してでも存続する価値があるのか。
もちろん、我々が汎人類史に生きる者である以上、自分たちが生きるために戦うことは自然なことではあります。
けれども、と考えずにはいられませんでした。
スパルタクスさん曰く、「人は、より貴き未来を求めて進まねばならぬ。」
その責任が、今回改めて重くのしかかりました。