ムソウノカキオキ

管理人の好きなこと(アニメ、特撮、オモチャetc)についてつらつらと語っていくブログです。色々遅いですが、よろしければコメントなどもお気軽にどうぞ

仮面ライダージオウLAST(最終回)感想!1年間の重みを食らえディケイド!

 本日、一年間と言う時代を駆け抜けた『仮面ライダージオウ』が終わりを迎えました。
 世界の危機はどうなるのか、強敵スウォルツにライダー達は勝てるのか、そして何より最低最悪の魔王オーマジオウの誕生を阻止できるのか。
 その答えが示されました。
 初めから終わりまで追いかけてきた作品が終わると、しみじみしたものが胸に残ります。
 今まで追いかけてきた思いを拙いながら語りたいと思い、ブログの方にも書かせていただきたいと思います。

・最終章であると同時に『ディケイド編』
 縦軸の物語と、歴代ライダーが登場する『レジェンド編』を同時にやってきた仮面ライダージオウ
 この最終章では、縦軸の物語でありながら『仮面ライダーディケイド』のライダー達も活躍。
 観ているときは「ええ!?最終盤なのにムカシの主役ライダーがこんなに出張って良いの?」と思いました。
 でも、終わってみると、これは最終章であると同時に『仮面ライダーディケイド編』なのだなと気が付けました。
 最後の敵怪人がアナザーディケイドで、『ディケイド』本編のパラレルワールド設定で『ジオウ』の設定を解説し、さらには「創造のための破壊』と言う『ディケイド』での重要な要素を物語に織り込む。
 ここまでしっかりと『ディケイドらしさ』を織り込みつつも、『ジオウ』最終章として成立している。
 このギリギリと言うか攻め攻めと言うか、そんなバランスが素晴らしい構成に仕上がっていたと思います。

 

・20作品/1年間と言う歴史の重み
 仮面ライダーオーマジオウに変身したソウゴ(仮面ライダージオウ)は言いました。
 全ての仮面ライダーの力=歴史はスウォルツごときに受け止められるものではない(大意)と。
 その意味を、平成ライダーシリーズを追いかけ続けた身としては肌で感じられました。
 ライドウォッチ=ライダーの歴史はただのスーパーパワーではありません。
 それぞれの思いを胸に前へ進み続けた仮面ライダーたちの生きざまそのもの。
 それが20も積み重なれば、並の人間が軽々しく受け止められるものではないと。
 そして、それは『ジオウ』と言う1年間も十分すぎる重さを得たということでもあります。


・複雑な運命を砕くのは友情
 ソウゴはオーマジオウにこそ変身したものの、『最低最悪の魔王』になることはありませんでした。
 なぜなら、運命を変えるために誰かが何か具体的なことをした……と言うことは全く無く、ソウゴが仲間たちと友情を育んだから。
 つまり、この1年間の積み重ねそのものが、『最低最悪の魔王』と言う運命を打ち砕いた。
 この構成はニクいなぁと。
 1年間放送してきたという事実そのものが説得力になりますし、何より1年間追いかけてきた視聴者は絶対キャラクターと彼らの関係性を好きになっているから、この流れに感動してしまう。
 理屈で考えるなら、”ただの心境の変化”が世界の行方に大きな影響を与えるなんてナンセンスであるはずなのに。
 けれども、ナンセンスだからこそなんですよね。
 『仮面ライダージオウ』と言う番組は、かなり特殊。
 なにしろ毎回怪人をやっつけても、『最低最悪の魔王』誕生を阻止すると言うゴールには直結しないという構造の元にお話が作られているのですから。
 「どうすればいいの!?」と言うのは登場人物だけでなく視聴者も思っていたのではないでしょうか。
 だから、敵を倒したからでも、ギミックをどうにかしたからでもなく、1年間の絆と言うともすれば”ささやかなもの”が最低最悪の運命を軽やかに打ち砕く。
 そこに理屈抜きのカタルシスが生まれたのでは無いでしょうか。

 

・『美しい物語』では無いけれど
 プロデューサーが公式サイトでぶっちゃけたように、多くの設定が語られずじまいのまま、『ジオウ』の物語は幕を閉じました。
 正直に言ってしまえば、その閉じ方も仮面ライダーオーマジオウの力に頼った文字通りの力技感が無いではないですし。
 それでも、自分の胸には清々しいものが確かに残りました。
 本作『ジオウ』は、『時間モノ』と『レジェンドライダー』と言うところからして、どう考えても『盛り過ぎ』な設定からスタートしています。
 加えて、毎回レジェンドライダーの力を持つという”濃い”設定の敵怪人アナザーライダーの活躍とライドウォッチの宣伝をすると言うタスク満載な脚本。

 さらには、テーマ的にどうしてもメタフィクションを盛りこまざるをえないストーリー(特に劇場版)。
 そもそも、「王様になる」とのたまう主人公常磐ソウゴが一番のクセモノでした。
 これを一つの物語にするという無茶な挑戦に挑み、友情譚として成立させたキャスト・スタッフの皆さまには感謝と尊敬しかありません。
 彼らの尽力により、『仮面ライダージオウ』の物語は見事なハッピーエンドを迎えました。
 さらば、常磐ソウゴ!さらば、仮面ライダージオウ!これからは真の普通の高校生として平穏な日々を……
 え、『Vシネマ 仮面ライダージオウNEXT TIME』?こんなキレイに終わっておいて新しい戦いとかやっちゃうワケ!?