・仮面ライダークウガ放送
それは、殺人ゲームに挑む人々の物語。
そして、2000年に『仮面ライダークウガ』が放送。
絵空事のように思える怪人とライダーの戦いを刑事ドラマのエッセンスや、古代語『グロンギ語』をはじめとするディテールでリアリティを演出。
同時に、多彩な超変身=フォームチェンジを見せる仮面ライダークウガの活躍はヒーローらしい華やかさ。その魅力に子供たち(と自分達)はヤラレてしまいました。合成が絵空事なのはそういう時代と言うことで。
人間ドラマを毎回2話かけて描くという構成も今となっては当たり前ですが、当時としては革新的であり、またそれが物語をより魅力的に見せるのでした。
それは、神との戦いに挑んだ3人のライダーの物語。
『クウガ』の好評を受けて、2001年に『仮面ライダーアギト』がスタート。『クウガ』とのつながりとしては、当初こそ続編を匂わせる設定があったものの、物語の進行とともにフェードアウト。単独作品としての世界を確立していきました。『アギト』の特徴としては、『クウガ』のリアリズムとヒロイズム(格好よさ)を換骨奪胎したこと。
リアリズムの発露として技や武器の名前を叫ばないなどしていたクウガを「そこがクールだよね」と言わんばかりに取り入れつつ、ヒーローらしい決めポーズをリアリティを殺さないギリギリのラインで取り入れる姿勢が特徴的でした。
また、『アギト』から採用されたエンディングテーマ(挿入歌)を戦闘シーンに流す手法はその後ながらくシリーズのお約束となりました。
そして、もう一つの特徴は3人の仮面ライダー=主役のぶつかり合い。番組のタイトルこそ『アギト』であるものの、仮面ライダーG3と仮面ライダーギルスもまたそれぞれの立場や考えを持って物語に挑む、まさに主役級の描写がされていました。
ファンの間は『ライダー同士の戦い=ライダーバトル』が賛否あるものとして語られていたのも印象的。
このあと通例となる夏の映画版をスタートしたのも『アギト』からでした。
これらの姿勢は『クウガ』とは違う意味で、後の作品の基本フォーマットを確立したと言えます。
一方メディアでは、ライダーや戦隊と言った東映ヒーロー作品は『若手俳優の登竜門』、『イケメンヒーローブーム』と言う文脈で語られたのも記憶に懐かしいところです。