ムソウノカキオキ

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セイバーXゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記 感想


 『fgo』をチビチビ進めつつ、夏のお祭りヒーロー映画を観てまいりましたので簡単に感想をば。

 

 仮面ライダーセイバー』と『機界戦隊ゼンカイジャー』のコラボが軸ということで、ドラマ部分は『セイバー』と言うか飛羽真先生だからこそだわーという印象。
 一方で、『ゼンカイジャー』らしくワチャワチャした雰囲気も十分でした。決戦シーンでの良い意味でゴチャゴチャした感じは、まさに『ゼンカイ』。
 
 とても多くのヒーローが登場するので、両作の本編を観たことが無い方でも、幼いころに観た知っているヒーローを探すだけで楽しめる作品だと思います。
 
 そして、『メタフィクションもの』が好きな方であれば、前知識ゼロでも楽しめる作品だと思います。
 
 
以下、ネタバレ注意

 


 
 
 
  
 いや本当に東映さん、メタフィクションを描くことに躊躇いが無くなったな!と言うのが第一印象。
 思えば、香り付けとしてメタ要素を入れた『仮面ライダーディケイド』が2009年、さらにメタ要素を強めた『仮面ライダージオウ』(の劇場版2作)が2018年。
 三度目ともなれば、ここまで直球にもなろうというもの。
 それも、これまで以上に洗練された形になって。
 今回、メタフィクションが綺麗になじんだのは、ひとえに『仮面ライダーセイバー』の世界設定が大きいようです。
 (と言うか、ドラマのメインは『セイバー』サイド。アスモデウスも『セイバー』世界出身のキャラですし)
 メインで進めるのが、小説家として『物語』と『現実』の関係をよく理解している、仮面ライダーセイバーこと神山飛羽真。
 物語の登場人物でありながら、限りなく制作者側に近い立場で熱い言葉をぶつける姿は、彼ならでは。
 
 
 今回特にグッと来たのは、『自分達は作られた存在にすぎないのか』と言う、メタ物あるあるな命題に対して、現実と物語の優劣は無いとサラっとアンサーを出していること。
 この”サラっと”と言うのがポイント。
 物語で描かれるのは、『今を精いっぱい生きている人間』。
 時には、平凡であっても幸せな”現実”よりも、劇的であり人々が苦しんでいる”物語”の方が辛く感じられる。
 こうしたことが言えるのは、小説家として物語を大切にする飛羽真先生らしいですよね。
 たしかに、精いっぱい生きてるなと思える人だったり、大変な立場にあったりする人がいたら、それが現実にいるとしても、架空の人物であるとしても同じように気になります。
 それにしてもエンタメは、それも児童向け作品で、こう言うことを明文化できる段階まで来ていたとは。
 現実と物語は両方大事。
 こうしたテーマに触れた子供たちが将来どんな物語を生み出すのか楽しみに感じられました。
 
 こうしたメタ要素が本筋から離れないように調節するのが『セイバー』側の世界設定『本の世界 ワンダーワールド』。
 そしてそれについて語る本の守護者、我らがホワイト上司のソフィア。
 ソフィアさんの出番自体はメインキャラクター達に比べると多くは無い物の、演じる知念里奈さんの立ち振る舞いもあって『なるほどこれはきちんと『セイバー』のお話なのだな』と思わせられる説得力がありました。(冷静に考えると本作独自の拡大解釈が入ってそうですが)
 
 アキバレンジャーギアは実に本作らしい。
 好きな作品ながらまさに非公認なだけに、良い出番をもらったなぁとしんみり思いました。
 しかし、『ゼンカイジャー』の雰囲気に『アキバレ』的なギミックが違和感なくなじむとは。
 
 イマジンズをはじめとするゲストヒーロー達も存在感があり、中盤の賑やかな雰囲気を良い具合に盛り上げてくれました。
 それだけに、センター以外は最終決戦で出番が無かったのが残念と言えば残念。特に八犬伝組はかなり物語に取り込まれていた感じでしたし。
 ……自分で書くかな。

 

 また、作品の都合上、悪役の存在感が相対的に弱めに感じられたのが、数少ない残念ポイント。
 なぜアスモデウスが今回の事件を起こしたのか、と言う部分がわかりづらかったかも。(本当に「私が主人公でも良いではないか!」が理由だったのでしょうか)
 まぁ、この手の大集合映画だと仕方が無いところもあるのですが。
 ただ、クールな悪役かと見せて最終盤で『二次創作』、『終わコン』とオタクみたいな言葉を言いだしたインパクトは絶大でした。
 アンタ、『セイバー』かと思ったら『ゼンカイ』のキャラだったんです……?
 


 本編のあとサプライズ上映された短編映画『仮面ライダーバイス
 アバンタイトルは謎に満ちた雰囲気で、人が殺されるところもしっかり描写。
 一方で、本編はホームドラマが似合いそうな銭湯のお兄ちゃんが主人公。
 でもやっぱり重い雰囲気が……と平成2期の系譜が感じられて良い意味で懐かしい。
 王道ヒーローとクセのある相棒と言うのも、『W』や『オーズ』を思い出しますね。
 そのクセのある相棒のバイスくん、要は『マーベルコミック』のデッドプールなんですね。
 ディズニー版『アラジン』のジーニー、あるいは洋画によくいる面白黒人でもオーケー。
 本編では、『前回のあらすじ』パートがあるなら視聴者に向けてマシンガントークを繰り広げてくれることを期待。
 
 メインアイテムのモチーフはスタンプ。”スタンプ”繋がりか、変身エフェクトが”LINE"っぽいのが面白いですね。
 変身後のモチーフは歴代ライダーと動物……?
 恐竜に鮫、と続くとむしろ古い洋画がモチーフなのではと言う気がしてきますが。某ジュラ……とか某ジョー……とかのアレ。
 バイクがドローン型なのは今風と言うよりも『バイクアクションなんてあんまりできないよね』と言う開き直りからの、良い意味での飛躍が感じられました。
 必殺技を含めて、リバイとバイスとの物理的なタッグ感が見どころになりそうです。
 しかし、ゲストの人も主人公も、このあと大丈夫なんでしょうか。なにしろ、悪魔と契約して無事で済む試しなどないのですから。