ムソウノカキオキ

管理人の好きなこと(アニメ、特撮、オモチャetc)についてつらつらと語っていくブログです。色々遅いですが、よろしければコメントなどもお気軽にどうぞ

fgo第2部第6章『妖精円卓領域アヴァロン・ル・フェ』後編簡単感想

 先日ようやくスマートフォン向けゲーム『fate/grand order』第2部第6章「Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ 星の生まれる刻」(後編)をクリアしたので、簡単に感想をば。
 とはいえ、まだまだ『仕掛け』が控えているのでまるでクリアした気にはなれないわけですが!
 以下、ネタバレ注意!

 

 

 それにしても、エンディングにしかけが用意されているとは聞いていましたが、こんなにモヤモヤする聖杯獲得があるとは思いませんでした。
 ラスボスは主人公のあずかり知らぬところで惨たらしく殺され、
 オーロラたち目的不明の勢力が動き出し、
 謎めいた神ケヌルンノス復活の予兆が見え隠れ。
 それに何より。
 妖精國がこれから良い国になる目がどうにも見えない。
 ここまでの状態だと、次回アルトリア・キャスターがやり直しのタイムリープを始めても驚かないくらいです。
 とはいえ、モルガン打倒をゴールとするならば、ここまででキャラクターたちがやるべきことをやりきった、とも言えるわけですが、うーん……。
 
 ・ノベルゲーム、と言うオンリーワンな形
 今回、久しぶりの大ボリュームシナリオと言うことで、ノベルゲーム(あんまりやったことない)の特性を改めて感じました。
 文章を追いかけるのは小説を読むのに似ています。
 しかし、音やビジュアルの演出があったり、読むスピードが作り手にある程度コントロールされている感じはテレビや映画などの映像作品を観る感覚に近いように感じます。
 文章を追いかけているのに映画かアニメを観ているような不思議な感覚がありました。
 それだけに、読み終えた感触としては「(色々な意味で)しんどい、つかれた」だったワケですが(苦笑)。
 まぁ、ウン時間の映画やアニメ数話分を一気観したようなものなので、ご容赦をば。
 ただ、自分のようなノベルゲーム初心者に対する制作サイドからの配慮も数多く感じられたのも事実。
 1クエストあたりの文章量なら極端に長くなることはなく、その分1節ごとのクエスト数を増やすスタイルだったので、ある程度自分のペースで進められるようになっていました。
 前編、後編、エピローグ(?)と分割して配信されたことで、多少クリアが遅れたとしても、ネット上でうっかり結末に関わるネタバレを踏む危険性が軽減された気がします。
 また、ツラい展開が待つクエストの直前には予兆のような描写も多かったように感じられ、過酷な展開を前に心を決めてから臨めました。
 ……とはいえ、「やってくれたな、奈須きのこ!」と思ったことが数えきれないほどあったことは否定できないのですが(苦笑)。
 

・たとえ報われないと分かっていても英雄的行為をするのか
 6章後編のテーマはこれだと思いました。
 モルガン=トネリコもアルトリア・キャスターも、救世主(予言の子)と言われながらもブリテンの妖精達の中に居場所がない者たち。
 妖精たちからは決して祝福されない、それどころか彼らからも傷つけられることもある。
 辛く、苦しく、多くの犠牲を伴う戦い。
 それでもなお、使命を果たすのか。
 モルガンは、使命をブン投げて『自分のブリテン』妖精國を作ることを選びました。
 アルトリアは、モルガンに十分な答えを示すことができませんでした。
 そして、主人公はそれでも立ちあがることを辞めませんでした。
 エピローグが終わるとき、三者の姿は僕たちの目にどのようにうつるのでしょうか。
 
・妖精たちについて
 ストーリーが進むたびに、妖精の残酷な部分が目に着いて「このヤロウ……!」と思うことが少なくなかった後編。
 でも、仕方が無いと言えば仕方が無いんですよね。
 妖精には食事が必要無い。
 それ以外のことも、大体のことは神秘でどうにかできる。
 つまり、他者をほとんど必要としない生態の持ち主なんですよね。
 たとえ、他者を自分の楽しみのために殺しても、明日の生活に全く困らない。
 存在税さえなければ、他の妖精と一生関わらずに生きていくことさえ可能。(って言うか、汎人類史の妖精はこのパターンが多いんじゃないでしょうか)
 そもそもがそう言う存在なので、どうしても他者を助けたり、思いやったりと言う行為の優先度が低くなりやすい傾向があるのでしょう。
 人間と違って。
 妖精國が人間社会を模倣している事で逆説的に気付かされるのは、人間の社会って弱いモノが集団行動を取ることでより良い生活を送るためのものであるということ。
 妖精たちが神秘でパパっとできるような諸々も、人間は集団で力を合わせなければ成し遂げられません。
 人間はそこまでパワフルではないのですから。
 だから、妖精が人間社会を模倣すると、どこかしら噛み合わない所が発生する。
 軍隊とかが分かりやすいですよね。
 ウッドワス軍なんて、ウッドワス様と言う最強戦力を存分に活かす陣形を取っていればずっとやりやすかったのでしょうけれど、それは人間の軍隊の形とはまるで違った物になっていたはずです。


・ウッドワスとスプリガン
 それぞれ違った意味で予想外な立ち回りを見せた2人。
 メンタルはまるで癇癪おじいちゃんのようだったウッドワスは文句なしの妖精國最強戦士でした。(あの戦闘はキツかった!)
 その圧倒的な実力にもかかわらず、ウッドワスは悪党どもにメンタルを揺さぶられ、その強さを良いように利用され通しと言う悲しい運命をたどりました。
 これは奇しくも、スプリガンと対照的。(利用された側と、した側と言うだけでなく)
 スプリガンは妖精國では圧倒的に弱い存在である人間(しかもおじいちゃん!)。
 自分は最初、彼が人間だとは微塵も気付かなかったんですよね。
 なにしろ、本気では無い(多分)とはいえ妖精騎士トリスタンの攻撃を避けて、メチャクチャ涼しい顔をしていたので。
 一歩間違えば本当に死んでいたかもしれないワケですから、その上で余裕を保っていたスプリガンのメンタルの強さに、後から戦慄しました。
 ココに限らず、スプリガンの立ち回りは一歩間違えば(間違えなくとも)死ぬかもしれないモノばかり。
 そんな修羅場を何度も潜りながらも飄々とした姿を崩さないのには、知略云々よりも何より豪胆としか言いようがありません。
 善人であれ悪人であれ、最後に物を言うのは心の強さである。
 そんな教訓じみたことを感じる暗黒童話でした。
 
 アレコレ語ってはみた物の結末が全く読めないので、ここからどう転ぶか、8月4日のエピローグが楽しみ……なような恐ろしいような。
 みんな報われて欲しい物ですが、無理かなぁ。