ムソウノカキオキ

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fate/ 第2部第6章『星の生まれる刻』クリア感想

 と、言うわけでようやくクリアしました、『fate/grand order』第2部第6章。

 フリークエストなどまだまだ小ネタは回収しきれていないものの、まずは全体の感想をば。

 

 いや~しかし、限りなく大ボリュームのアドベンチャーゲーム的なものを全国のマスターがリアルタイムでプレイすると言うのは、改めてやはり独特の感覚ですね。
 ガッツリ腰を据えて読める文章量が提示され、
 それと同時期に、スマホを少しイジれば、他のマスター諸氏の感想、二次創作、そしてネタバレへとインスタントにアクセスできる(できてしまう)
 自分だけの物語、と言うだけでなく”今”と言う時間における共通の話題になっている。
 僕はあまり、クラス中で同じアニメやドラマの話題で賑わうと言う光景を体験していなかったので、インターネット越しのこととはいえ実に新鮮でした。


 では、ここから先はネタバレ注意!

 

 



 

 


 物語全体を通して、これまでとはトーンが異なっていたと言うのが大きな印象。
 シナリオ担当の奈須きのこ先生が、ご自身の色をかなり気合入れて出してこられた結果なのでしょう。
 いわゆる『type-moon』ファンとしてはニワカ中のニワカなこともあり、読みながら特濃の奈須先生ワールドに始終ブン殴られているような感覚がありました。
 妖精、つまりこの異聞世界でのヒトの在り方が象徴的。
 彼らは容易く悪に堕ちる弱さ、醜さ、そして一握りの善意を持っていますけれど、その心の流れは『戯画化された人間(ぼくたち)』なんですよね。

 我々にとても良く似た生々しさを備えているからこそ、妖精たちの悪行は読み手から嫌われる。
 思えば、妖精の悪性は主人公たちの障害であっても敵であったことは無いんですよね。
 『ヒトは素晴らしいけど醜いよ』、『向こうであれこちらであれ、世界ってこんなだろう?』
 そんなメッセージが聴こえてくるようでした。……幻聴ですけど、多分。
 
 
 
 トーンの違い、として他に印象的だったのは、重要な部分の明言を敢えて避ける描写があったこと。
 多分、アルトリア・キャスターが幼いころ聴いた”マーリン”はオベロンだとか、
 多分、ケヌルンノスに捧げられた生贄はバーヴァン・シーだとか、
 今までのシナリオなら明言していたところを、敢えて突っ込まないのが印象的でした。
 それは、主人公たちとは関わりの無い話だから、とばかりに。
 そう言えば、妖精と人間を結ぶ、とかの予言もどういうことなのか分からなかったですね。まぁ、その辺台無しになったからというのもありますけれど。
 
 
 今回、妖精國と言う異聞世界を描くにあたって、その地理や歴史、そして暮らしているヒト(妖精と人間)の姿をゴリゴリに作り込んでいるのも印象的。
 主人公の冒険だけでは描ききれない部分を『断章』としてマシュ目線で描かれたことで、物語は大きな広がりと深みを見せました。
 今回、マシュの主人公感はすさまじいものがありましたね。
 それだけでなく、主人公とマシュの知らない部分の描写も数多く。
 オーロラの本性も、バーゲストが厄災と化した経緯も、主人公達は知る由も無い、と言うのが実に切ない。
 

 こうして妖精國は滅びました。まぁ、滅ぶべくして滅んだ感はあるものの、皆死んでしまうとやはり寂しい。それでも切り替えていけるあたり、カルデアのみんなは強い……と言うより「それで良いの!?大丈夫?」と心配にならなくもなかったり。

 

 コヤンスカヤとの決着もありそうですが、残す空想樹はあとひとつ。

 このハードは戦いの先に、何が待っているのでしょうか。
 アルトリア・キャスターは報酬よりも『星の光』を胸に突き進む道を選んだわけですが、

 願わくば、物語の先には辛い戦いに報いるだけのハッピーエンドがあらんことを。