・ドン3話『あかりどろぼう』
すれ違いコメディの体裁を取りつつ、タロウのお仕事である配達員にスポットを当てたおはなし。
はるかのおばさん、のっけから誤認逮捕かましたり、タロウの名札を返却しなかったりと、なかなかな性格な様子。
それでも、はるか先生がなんだかんだで良い子に育っているあたり、悪人では無いのは確か。
しかし、鬼頭先生のメイン回でタイトルは”あかり”とはこれいかに(苦笑)
サルブラザー=猿原のプロフィールを改めて紹介。
運命は受け入れるしかない、みたいなことを言いつつ、ドンブラザーズの力で人知れず子供たちを助けていたり、なんだかんだ良い人。
ココで、”人知れず”というあたりが、昔のヒーロー的であり、井上敏樹イズム。
そんな猿原から、「配達員がひどい扱いを受けるとは、よく聴く話」と聞いて自分の行動を顧みるあかりは、やっぱり良い子、イイ性格には変わりないにせよ。
やはり、このあたりの登場人物描写は非常に気を使って行われている印象。
「コイツらは、アクが強いけど良い人なんです!」という親ばか(?)な制作者の声が聞こえてきそうなくらいです。
ドントッキュウモモタロウアルター登場!なんですが、大きさも相まって派手な活躍とはいかず。
時には、派手な活躍も期待したいところ。
ヘンな出方と揶揄されるドンモモタロウの登場ですけれど、「高笑いと共にどこからともなくやってくる」って大変に古典的なヒーロー像なんですよね。
オーセンティックなヒーローを現代風にうまくアレンジしてある印象が良い。
・ドン4話『おにぎりのおに』
キジブラザー、雉野つよしのメイン回。
『フェザンコンサルティング』、短期で雇った人にいきなり責任あるお仕事を任せるとか、フットワーク軽すぎない!?という豪快な導入からスタート。
そんな中でも、陣の語る過去とあわせてタロウの内面にもスポットが。
陣さん、回想シーンではごくごく普通のお父さんなのに、現在ではなんで謎めいた風を出しているのか。
まぁ、「空気が読めないってこと?」と突っ込まれてフード被るあたり、なんだかんだ普通の人なのかもですが。(ここでズバっと言えるのが、はるか先生のイイところ)
腕の立つ店長は自身に任せて(結果、暴走)、店員の教育に注力するタロウ&つよし。
自然と人間関係の緩衝材となり、変わりたい、と奮闘するつよしにほだされていく店員たち。
なんだか、『普通の人』であるつよしに対する描き方が温かいのがほっこりするところ。
一方で、一見オレサマ系のタロウも、ある種の生きづらさを感じていることが垣間見れたり。
そのあらわれが、「駄目だ、駄目だ」という昭和のおじいちゃんな感じなのが井上イズム、なのでしょうか。
奇しくも、能力のあるリーダー=店長/タロウと、下支えする店員/お供たちという関係と相通ずるものがあるように感じます。
タロウたちはそんなこと一切気が付いていないようですが。
今回は、残念ながら前回に続き巨大戦がナシ。
キジ&イヌの合成もあるので、例年以上に手間がかかるのかもですね。
ルーティンワークになってしまうよりも、クォリティの高い巨大戦を、時間がかかっても、作ってくださった方が良いのかも。
それはともかく、大団円で何より。
前回のように、ヒトツ鬼となった人間もあっさり消去されてしまうこともあるので、本作は本当に気が抜けません。