1966年に放送された初代『ウルトラマン』のリブートである映画、『シン・ウルトラマン』を観てまいりましたので、感想をば。
(以下、ネタバレ注意。作品鑑賞前の方は”絶対に”ご覧にならないでください)
この手のリメイクで、ちっちゃいコが観ても楽しめそうな内容に仕上がってるのはすごいな、とだけいっとこう。
— UG/YM (@fai2blst) 2022年5月14日
『大人も視野に入れたリブート』として、何よりもココに拍手を送りたい。
オープニングから次から次へと現れる禍威獣、怒涛の情報量、その勢いのままに禍特対登場!
さらに、禍威獣や外星人のエピソードが立て続けに展開する……。
全編見どころ満載、全く飽きることのないエンターテインメントに仕上がっています。
異形感のあるウルトラマンも次第にとっても素晴らしいヒーローであることがわかってきます。
禍威獣・外星人はいずれも魅力的。
テレビで『ウルトラマン』をご覧になっているお子さんが、そのままのテンションで観に行っても満足できる仕上がりでしょう。
もちろん、台詞はかなり大人向けとなっておりますが、多少聞き流しても問題は無く。
これはひとえに、制作陣が30分番組である『ウルトラマン』のココが面白かったよね!という部分を引き継ぎたいいう強い思いがあったからでしょう。
『ウルトラマン』を2時間映画にします!となって、30分でやる話を4つやります!とは今日日なかなかならないでしょうよ、と思いますし、それを上手に作るのはなかなか難しいでしょう。
しかし、それがテンポの良さに繋がって、きちんと面白い。
本当に、『ウルトラマン』という『最高の30分』に対する愛を感じます。
敢えて難点を言えば、ドラマ部分はやや食い足りない印象。
そこは、エンターテインメント……禍威獣に大きく振った結果とも考えられます。
とはいえ、キャストの皆さんがいずれも良い演技をされているので、ドラマが薄い印象は無かったですね。
それにしても、リブートにあたって、ここまで『ウルトラマン』に寄せてくるとは思わなかったなぁ。
音楽や効果音、さらには台詞まで初代さんから引っ張ってくるとは。
そんな中、変えるところは変えているあたりに、しっかりとした線引きを感じました。
変える、と言えば禍威獣のデザインアレンジの妙も魅力。
ネロンガ、ガボラあたりは原型の特徴が強く出ている、わかりやすい現代版アレンジ(それでも、かなり変わってるよう)
津田健次郎さんの名演が光るザラブで、「うん……?」となり。
山本耕史の怪演が光るメフィラスは、確かにメフィラスなんだけど、ガラっと変わっている!
と、なってからの、ラスボス。
いずれのデザインも魅力的な上、登場順にどんどんと元デザインから離れて行ってる(でも元キャラはわかる)感じが秀逸。
そんな『シン・ウルトラマン』のなかで『ウルトラマン』らしさが感じられたのは、物語の根底に感じられるポジティブさ。
物語を通して地球の脅威は何もかも解決したわけではありません。
それどころか、将来大変なことになるだろうことまでも示唆されています。
それでもなお、「希望はある」。
たとえば、『怪彗星ツイフォン』の再来があるを知り、そのころには人類はもう少し賢くなっていると信じよう、と笑いあったように。
そんな風に感じられる結末こそ、『ウルトラマン』イズムなのかもしれない、と感じました。
よし、また観よう!