アニメの放送で盛り上がる漫画『風都探偵』。
本編の予習を兼ねて読んでみた1~3巻、さらに6巻(おい)の感想をメモ的にまとめてみました。
これからアニメ版を追いかける方、アニメきっかけで原作を読む方へのフックになれば良いなァと。
1巻
導入編。
青年誌らしいエログロを交えながらも、ミステリ、アクション、そして人情と『W』のツボを押さえたストーリーが展開。
相棒との衝突が物語を盛り上げるも、深刻な対立に陥らないあたり、翔太郎とフィリップの間にある信頼関係を感じられますね。
ロードドーパント、裏風都、そしてときめ。
様々な情報がミキサーにかけられたかのようにランダムに、そしてスリリングに提示されていきます。
「これはこういうことだったのか!?」という感覚は、後々から読み返した後の方が大きいかもしれません。
2巻
『風都探偵』と言う作品の基本フォーマットを提示するエピソード。
前巻に続き、『どんな話なのか』がきわめて明快なのが心地良い。
ときめとフィリップの衝突。当初は超然として見えたときめにも人間的な喜怒哀楽がある、という驚き。
下ネタ感の強いメガネウラドーパントは、なんとも青年誌らしいゲス悪党描写。
クライマックスも青年誌的であると同時に、ホラー映画やモンスター映画の王道を行く展開。
『cは何処に』はホッと一息つける短編と言った趣です。
人情話的な面が強く、亜樹子の強さが印象的。
3巻
豪雪で閉ざされた豪邸で繰り広げられる怪事件と言う、ありそうでなかった王道ミステリ回。
気分は金田一少年か。
人間の暗い感情を描きながらも一方でその裏には……なバランスは『W』らしいところ。
ニチアサの枷を外しつつも、ニチアサの番組で培われた『らしさ』を演出する。難しいバランス感覚に脱帽です。
バトル展開もぬかりなし。3巻にしてテレビシリーズのフォームチェンジをほとんど見せてしまうのは贅沢。
今回は特に、フットワークの軽くなったフィリップくんの姿が印象的。
テレビシリーズでは、なんだかんだ逃亡者として身を隠す立場でしたからねぇ。
遭難経緯が仲良しエピソードの如く語られるのもやむなし……かも?
6巻
『風都探偵』の素晴らしいところは、1巻単位で1エピソードがスパっと完結しているところ。
そんなわけで飛ばして読んだ6巻。
前巻を読んでいなくてもちゃんとわかる!素晴らしい!
内容としては、『フィーチャリングスカル』、『ビギンズナイト』を、補完を交えつつまとめたエピソード。
実質のコミカライズなワケで、お馴染みのお話が漫画としてどう仕上げられているか、と言う好奇心のままに購入した次第。
その内容は、翔太郎のバックボーンを描きつつ、鳴海壮吉サーガとして纏まりつつ、さらに物語の解像度が上がる、という実に上質なエピソード。
当然、原作再現やファンサービスもバッチリ。(当然とは!?)
本編時空では登場できない『あの一家』の登場も見どころ。
『W』ファンの方は、この6巻からえいや!と飛び込んでみるのも良いのではないでしょうか。