ムソウノカキオキ

管理人の好きなこと(アニメ、特撮、オモチャetc)についてつらつらと語っていくブログです。色々遅いですが、よろしければコメントなどもお気軽にどうぞ

『仮面ライダーリバイス』最終感想!

 ついに最終回を迎えた『仮面ライダーバイス』。
 キャスト、スタッフの皆様、本当にお疲れさまでした!
 
 今回は、そんな『リバイス』と、そして『仮面ライダー』を巡る自分の思いをつらつらと語っていきます。

 

 

・『ライダー』への思いを整理する1年
 『リバイス』放送中は、自分自身の思いを整理する時期でもありました。
 ノリでtwitterを始めたこと、東映内でのパワハラ・セクハラが報道されたことも大きな要因でした。(パワハラ問題は会社全体として真剣に取り組んでいただきたい!)
 自分がどのような位置にいるファンなのか、『ライダー』に何を見たいのか、そして今の『仮面ライダー』、『令和ライダー』とは……。
 そうしたことを考えていく期間でありました。
 その結果、『自分の観たいもの』と『いま制作側が作りたいもの』は乖離しているのかもしれない。
 そんな寂しさや時代の変化も感じつつ。
 しかしながら、やはり得難い期間であったと感じるのです。
 
 さて、自分の話はこれくらいにして、ここからは『リバイス』のお話!

 
・キャラクターたちの”お上品”ではない良さ
 リバイスのキャラクターをみんな好きになれたこと、それが何より嬉しい。
 本作の登場人物は序盤(2クールかそれ以上?)、「コイツらはどんなヤツなんだ?」という思いが続いていたものの、最終的には皆に好感情を持てるところまで来れました。
 もちろん、これまでのシリーズのキャラクターも聖人ばかりではありません。
 しかし、『ライダー』初参加の木下半太さんのということで、これまでとは違った魅力がありました。
 主人公である五十嵐一輝は、お節介なのに無神経、その癖ナイーブ。
 弟の大二は頭でっかちな上にやっぱりナイーブで、妹のさくらも言うほど無敵じゃない……と言った具合に美点と同じくらいの欠点を持った登場人物が続々登場。
 本作のライダーたちは、『ヒーロー試験』なんてのがあったら落第してしまうのでは?といらぬ心配をしてしまうようなメンバーばかり。
 (同期のドンブラザーズもいい勝負ではありますが)
 みんなして言葉選びが下手で、コミュニケーションも自分たちで思ってるよりも上手く行かない。
 時として視聴者にさえ不親切なくらい。
 当初こそ、「コイツら、なんなんだ?」と頭にハテナマークを浮かべてばかりでしたが、1年間追いかけていく中で「コイツら、面倒くさいな!」に変わっていきました。
 面倒くさくて、だからこそ愛おしい。
 そんな彼らが、不器用ながらヒーローや家族であろうとする『リバイス』メンバーの魅力は、まさに唯一無二。

 

・キャラの魅力と喧嘩する、縦軸?のお話

 令和の仮面ライダーのトレンドは、戦いとイベント。
 それは、『リバイス』でも例外ではありません。
 毎回戦いを繰り返しては、いかにも重要そうな描写が挟まれる。
 視聴者が一秒たりとも退屈しない!
 ……と言う点で、こうした番組作りを否定するつもりはありません。
 しかし、どうしても登場人物のドラマは後回しになってしまいやすい傾向があるようにも見受けられます。
 本作の縦軸のストーリーも、キャラクターの良さを引き出す要因は少なく感じました。
 どんなに良いキャラクターも、決められたイベントをクリアするためのプレイヤー・キャラクターのような立ち位置になってしまっている印象が拭えない。
 そも、宇宙からの侵略者なんて、歴代ライダーに任せてはいけなかったのかと!
 ほかにも、ストーリー面の指摘は説明不足によって感情の導線が迷子になりなすい等々、ちょっとかわいそうになるくらいに多く……。
 それだけに、最終4話で登場人物の話をメインでやってくれたのは嬉しくもありました。


・30分テレビドラマの難しさ
 これは、木下半太先生が『仮面ライダー』初参加という事情もあるのでしょう。
 木下先生の本業は小説家。(演劇の脚本も手掛けられているご様子)
 さまざまな制約の中でクォリティーを維持すること。
 1年間かけて物語を完結させるテクニック。
 30分観て、1週間待つ視聴者の感情に応えること。(尺は同じでも、週一回30分が4回と、2時間の演劇1公演ではだいぶ観心地が変わるものです)
 初めてのお仕事でそうしたことが難しいのは、仕方のないことです。
 と言うか、テレビドラマと小説や演劇台本ではぜんっぜん違うな!
 そこはプロデューサーをはじめ企画チームやサブ脚本と言った周囲がうまくフォローしていければよかったのですが、完成作品を観ると、あまり上手く行っていないように見えます。
 とはいえ、木下先生はかなり多くのエピソードを担当されており、初参加ながらも大偉業と言っても良いでしょう。
 
・終わりに
 改めて思いを言葉にしてみると、『リバイス』のキャラクターたちを本当に好きになれたのだなぁとしみじみ思えて、改めて嬉しく。
 ただ、本当に残念なことに、縦軸のストーリーが上手く回らなかったのが足を引っ張ってしまったのが本当に惜しい。
 両者をプラスマイナスして、敢えて総合評価を付けるとしたら普通、と言ったところでしょうか。
 とはいえ、実に複雑なところではあります。
 良さがあったことを知っているからこそ。
 あるいは、自分がかつて歴代ライダーに熱狂したからこそ。
 来週からは、新番組『仮面ライダーギーツ』がスタート。
 作品とどう向き合うかを探る時間が、また始まります。