射士郎の裏切り、と言うビッグトピックに軸を置きつつ、楽しいお正月やゴーカイブルー登場と言った描写も抜かりが無い一編。
和やかなお正月を迎えるブンブンジャーたち。
錠の祖父から届いたシーフードで、ブンブンは宝船カレー作り。宝船と言うより海賊船?で後の前振りへとつなげます。
こたつでリラックスする玄蕃さんは猫のようで幸せそう。それだけに、その後の父、デ・リバリー1世への仕打ちに震える表情との落差が胸に来ますね。
タカラバコグルマーの出現。
大切なものを奪う、と言う悪事の描写は短いものの、サンシーターのワチャワチャや、合成をたっぷり使って印象的なシーン。
とはいえ、メインはブンブンジャーとのバトル。
そして、敢えて『お宝』=ブンブンチェンジャーをタカラバコグルマーに食わせる射士郎。
放り捨てられるブンブンチェンジャーの描写を合成とスローでたっぷりと見せて、つよく印象にシーンに。
ブンブンジャーへの裏切り宣言を仲間たちと常槍たちに印象付けられるのも道理。
さらには、射士郎が実銃を抜いたのも脱退の印象をダメ押しとばかりに強めていきます。
ココでブンブンハンドルのビーム銃を使わないのが、リアルっぽい感じを一気に高めてくれますね。
「ヒーローではなく、闇の世界の住人」と言う常槍の言葉を、射士郎が敢えて表現しているようにも見えます。
奇しくも、同期の『ウルトラマンアーク』の防衛隊が、非リアルなビーム銃を使っているので、実に対照的。
とはいえ、ここまで堂々とした宣言を『裏切り』と呼ぶかどうかはともかく(笑)。
ISAとハシリヤンとの繋がり、そして『ブンブンジャーが世界の敵になる』企み。
射士郎は単なる裏切りとはとても思えないヒントを仲間たちに残していきます。
こうしてガッツリ縦軸を動かしつつ、颯爽と現れたのが海賊戦隊ゴーカイジャーのゴーカイブルー/ジョー・ギブケン。
演じるのは、山田祐貴さん。
今や押しも押されぬ大人気俳優と言うことで、ファンの間では「客演にはまず来れないだろう」と言われていた方がまさかの出演と相成りました。まさにサプライズ。
奇しくも、青い人の抜けた穴を、先輩の青い人が埋める形に。せっかくのバトル・シーンにブルー不在にならずに良かった、と言って良いものか。
「ゴーカイチェンジ」の発声と言った、見栄の部分を敢えてセーブする演出も、ジョーのキャラクターにあっていたのではないでしょうか。
ゴーカイブルー単独出演と言うことで、過去ヒーローへのゴーカイチェンジやゴーカイサーベル二刀流はナシとなっているものの、さりとて物足りない印象が無いのは、さすが中澤祥次郎監督。
ブンレッドとの背中合わせからのやり取りから、大也が背中を預けたい男=ブンブルーへとゴーカイチェンジするゴーカイブルー。
仲間のブンブンジャーから武器を借りることで、ジョーの本気、二刀流解禁!
ブンブンアックスロッドモードでの二刀流とは、なんとも怪力!!
いや、かつて五刀流をやってのけた男ならば苦もない、と言う事でしょうか。
こうして、先輩ブルーとの共闘で見事撃破されたタカラバコグルマーを巨大化させるヤルカー。
動機がお年玉なのがかわいらしい。
巨大戦でもジョーの助力で、ビュンビュンマッハーロボがゴーカイオーの姿へゴーカイカスタム。
このあたりの描写は、海賊船ゴーカイガレオン号が無くなってしまった、と言う『ゴーカイジャー10th』の描写を思い出して、少し寂しい。
とはいえ、当時のゴーカイオーのCGモデルもふんだんに使ったバトルで、ブンブンジャーロボと大暴れするゴーカイオー(ビュンディー)の姿はツーカイ、もといゴーカイ。
戦い終わって、『劇場版』に登場したニコーラのペンダントをブンブンジャーへと届け、去って行くジョー・ギブケン。
届け屋が届け物をされる、と言うのも粋ですね。
しかし、大也の資産がライトニングテックの名義になると言う大事件が発生。
信じられない、と言わんばかりの大也の表情は、心なしか大人しい少年のようにも見えます。
大也が先生と慕う内藤社長が、遂に牙を剥く……?