ムソウノカキオキ

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『爆上戦隊ブンブンジャー』第20話簡単感想

 バクアゲ20 イエスタデイ 椀ス モア
 
 未来にスポットをあてた回でありつつ、その切り口の面白さ、そして先斗の立ち回りなど見どころの多い回でしたね。
 冒頭、「始末屋、はじめました」と宣伝を始めている先斗&ビュンディー。
 そして、それを目撃する射士郎。(シャーシロ、意外と庶民派なサウナを利用してるんですね。)
 驚いたことに、その後の流れには一切関係の無いカットなのですが、始末屋コンビが本格的に地球で活動することにしたことが感じられて微笑ましい。
 今後は、地球での始末屋の依頼を通して物語に関わっていくこともあるのでしょうか。
 
 場所と時間は変わって、届け屋本部。
 アルバイトでクタクタになりながらも、急なシフトの追加に笑顔で承諾する未来。
 電話越しでありながも笑顔、と言うのが、彼女が良い人なのが良く分かります。
 一方で、その無限のバイタリティーはどこから湧いてくるのやら。
 ガス欠になるなよーとちょっぴりハラハラしないでもない?
 そんな彼女をお人好しゼンカイと称する射士郎。
 ニヒルな口調である者の、射士郎は彼女の在り方を否定するでも無いと言うのが良いですね。もちろん、他のブンブンジャーメンバーも。
 
 今回のメインは間違いなく未来なんですけれど、敢えて未来をザ・主人公としたお話づくりではなく、ノリオや大也たちの視点を通して、いわば『彼らから見た未来の魅力』を描くと言う切り口が面白いですよね。
 
 一方、今日の主役であるサラリーマン、降野ノリオは、定食屋で元カノ未来への未練を店長たちにこぼしていたのでした。
 定食屋の店員姿がサマになっているハシリヤンの皆様方。かわいらしさもありつつ、アンタらマジメに働けるんじゃん!……と思った後のシーンで、縛られた本物の店長が出てくるあたりが、本作の油断ならないバランス。
 人様のお店をジャックするとは、やはりハシリヤンはシャレにならない悪だわー。
 
 そんなこんなで、(主にキャノンボーグさまの入れ知恵で)ハシリヤンに協力すると言う暴走行為に出たノリオ。
 言うて、物陰に隠れてオワングルマーに命令するだけ。
 自分の気持ちくらい自分の口で伝えんかい!と突っ込みたくなりますけれども*1、結果的に未来とノリオが会わなかったことで、お話的には過度に昼ドラ的にならなくて良かった、と言う感も。

 ノリオと未来を対面させないお話の構成は、優しくもあり、厳しくもあり。
 2人の思い出が美しいままで終われたと言う事でもあり、そもそも未来にとってはとっくに終わっていた話でしか無かったと言うことでもあります。
 未来がいまさらノリオと対面したところで、彼女の意志はきっと欠片も揺らがないし、何のドラマも生まれなかったんじゃないでしょうか。
 なにせ、運転屋は止まらない、のですから

 オワングルマーを操るノリオの存在に気付いた先斗と大也。
 剣吞な様子でノリオに迫る先斗が実に緊張感があります。
 同時に、彼がブンブンジャーの分かりやすい仲間、品行方正なヒーローでは無い、と言う一筋縄にいかない関係にあることが明示された形に。
 レッドの言葉を「説教タイム」と揶揄できるメンバーもなかなかいないですしね。
 ハシリヤン退治には協力するものの、独自のスタンスを貫くトリックスター的存在。
 まぁ、他者を抑圧せんとするノリオのスタンスは、過酷な少年時代を過ごした始末屋・先斗にとっては気に食わないと言うのもあるのでしょう。
 他のメンツとは違った形で、ノリオに自身のやらかしを実感させる立ち位置になった、とも言えるのかも。
 
 すっかり自分を見失っていたノリオに、熱い言葉で説得する大也。
 そして、未来=ブンピンクの活躍ぶりを見て、過去の未来、そして確実にその延長線上にいる今の未来を思い返すノリオ。
 過去の回想は流されやすいと称されながらも、ある部分で頑固、と言う『未来らしさ』を示すもの。
 一方で、歪んでいってしまったノリオ自身を顧みる旅でもあり。
 ニューヨーク行きを事後報告で済ませるのは、さすがにナシでしょう。
 ある意味、「流されやすい」とされて、未来が本来持っていた主体性が押し込められていたことが、第1話に繋がってしまった(そして爆発した)、とも言えるのかも。

 思えば、ノリオは愛情深い恋人ではあった、とは言えます。
 しかし、いつの間にか恋人を当然のように束縛して、ソレが愛なのだと勘違いするようになってしまった。
 それが結果として、自分のハンドルを握って生きて行こうと決意した未来の生き方とは嚙み合わなかった、と。
 未来も別段、ノリオに悪感情があったわけでは無いようですし。
 未来視点には、「私はブンブンジャーやるから、じゃあね!」で終わらせて良い程度の重さの関係だった、とも言えますけれども。
 もとい、2人の別れは、好きとか嫌いとかとは違う、それぞれの人生の問題であった、と言うちょっぴり大人なお話。


 ともあれ、戦いの末、オワングルマーは見事撃破。思えば、始終他人にハンドルを握られっぱなしだった彼もちょっとだけ可哀想だったかも。

 巨大戦ではオープニングをバックに変形合体。
 たとえ失敗しても自分の意志で前に進んでいこう、と言う歌詞は今回の展開にピッタリ。
 ブンブンジャーロボビルダーでの出撃は、すっげぇ声になるほどアグレッシブなブンピンクにピッタリでしたね。
 自分たちより大きな御椀をビュンビュンマッハーロボと共に撃破する場面は、そのパワーが遺憾なく発揮されていました。

 内省して反省したノリオは、未来に会う事なく、潔くニューヨークへ旅立つ。
 アルバイト中、晴れやかな笑みを浮かべる未来の上を飛ぶ飛行機、と言うシメが見事な一話でした。

 

 

 

*1:ってか、未来に何のアクションを起こさず嘆いていただけだったの、この男!?何か月も!?