先日、遅ればせながら劇場版『fate/grand order 神聖円卓領域キャメロット前編 Wandering; Agateram』を観てまいりました。
ネットを眺めていると厳しい意見もあるようで、正直観る前はそこまで期待値を上げていなかったのですが……
自分的にはメチャクチャ良かったです!
今回の劇場版、思いのほかモブキャラのみなさん特異点に生きる人々の様子を結構なウェイトを置いて描かれているのですが、それが自分にすごく刺さりました。
ゲームでは描ききれなかったディテールが描かれたと言う部分もあり、特異点と言う場所が1人1人の人間がきちんと生きている場所なのだと感じられるところであり。
自分的に、この手の作品で、異郷の人々がご飯を食べたりといった生活感が感じられる描写が好き、と言うのも大きいのですが。
ルシュドくんも、ゲームでは「あー、いたいたそんな子」くらいな印象だったのが、この劇場版では主役級のキャラクターと言って過言ではないほど。
あと、『名有り』の特異点住民がフィーチャーされている感じはfgo第2部に近いところを感じたり。
それだけにゲーム版での住民代表『心を失った者達』の出番がオミットされたのはちょっと残念ですが、尺的にも仕方のないところでしょう。ベディいなかったですし、あそこ。
明日には飢えて死ぬかもしれない、あるいはすぐにでも粛清騎士辺りにサクっと殺されてしまうかもしれない。
そんな儚い”普通の人々”が頑張っている姿が特に印象に残りました。(もちろん、戦力的には聖都よりも大きく劣るベディやカルデア組も含めて)
それだけに、目の前の人たちを守らなきゃ!と行動する藤丸やマシュ達に感情移入できました。
獅子王は言ってることがやべーんじゃなくて、今この特異点で頑張ってる住民たちを空想樹モドキ聖槍でサクっと殺しちゃうからやべーんだなと改めて思い知ったり。(言い方)
そして、こうした姿こそ、『人々の営みを感じ取れる心の細やかさ』の持ち主と言われたベディヴィエール卿の見た景色だったんじゃないかと思います。
小さな子どもをつい突き飛ばしてしまったことに心を痛めたり、飢えた難民の腕の細さが目に着いたり、太陽王の領土や隠れ里で一時の安息を得ている住民達の姿にほっこりしたり、そしてそんな人々を守るために散った男の勇気に感じ入ったり……
こうして、特異点キャメロットに生きる人々を、あるいは守るべきものを丁寧に描いた前編。
それを背負った後編では、ベディヴィエールたちがどのような歩みを見せるのか、とても楽しみです。