第40話『邪悪降臨!三倍偉大な冥黒王』
新たなる冥黒王登場から、状況が二転三転。
今回もハチャメチャに情報量が多いですね。同時にアクション回としての魅力もたっぷりなのが凄い。これが本当に30分か!?と。
ジェルマンとガエリア、これまた、キャラの濃い連中が現れました。
クロトーレビスを強化したうえに、ゴーレムをサクっと錬成するジェルマン。
王の名に相応しい、景気の良いパワーです。
マルガムがいなくなって怪人はどうするの?と言う問題に、別系統の怪人を持ってくる、というのは本作らしいヒネり。
ゴーレムのデザインラインは冥黒マルガムに近いところが、技術的な共通項を感じるところ。
ゴーレムに加えて賢者の石、というワードが登場し、本作が”錬金術”というモチーフに真面目なんだな、ということを改めて感じたり。
敵も味方も入り乱れ、隠れ家での戦いは最初からクライマックスな勢いでしたね。
激闘の末、救出された風雅さん。
アレコレの説明を終えたら引っ込むしか無いのが、りんねさんとの関係を思うと何とも切ない。
本筋のキーマンと言う役回りである以上仕方の無いのですけれども。
そこへ「我が愛しい娘よ」としっかり言葉をかけてあげる優しさ。
最終回後は、りんねさんのお父さんに戻ってあげられると良いですね。
風雅さんがニジゴンをナチュラルに「彼」と呼んでくれていた優しさにも感動したのも束の間、ケミーを巡るスタンスに異論を挟む黒鋼スパナ先輩。
ケミーは道具、というスタンスを徹頭徹尾貫きつつも、「人は自分と異なる存在をそう簡単には受け入れない」と語るスパナは、彼なりにケミーを案じているようにも見えます。
宝太郎の考えは理想主義的で、実現すれば本当に素敵なことではありますけれど、それに伴うリスクを少し軽視しているとも言えます。
一方のスパナは、現実主義的な視点から、リスクを避ける方法を選んでいる、と。
向いてる方向は違えど、ケミーの未来を思う気持ちは、宝太郎もスパナも同じ、なのかもしれません。
桜の下でりんねとアトロポスが約束を交わした一方。
相変わらずの黒装束で公園にたたずむラケシス。
道をたがえたとはいえ、家族の存在はやはり彼女の中では大きいようで。
そこへ強襲するのは、風雅の隠れ家を襲って間もないクロトー。実際は何日か経っているのかもしれませんが、あの激戦を経て、なんたる体力オバケか!?
DV父親のようなことを言いながらラケシスに襲い掛かると言う暴挙に。
先の戦闘の方が冷静だったと思えるほどの、完全な錯乱状態。
戦闘中はギリギリ理性的な行動ができると言う事なのか、あるいはラケシスへの思いが理性を狂わせてしまったのか。
この局面で暴力に訴えることは、クロトーにとっても完全な悪手なのですが、彼女の中ではきっと「有効な手段」と解釈されているのが切ない。
何しろ、彼女の父親は、暴力で娘たちを縛り付けることを「有効な手段」として用いていたのですから……。
その姿に「魂を失った獣」、と姉の破滅を感じるラケシスもまた切ない。
一方、キッチンいちのせではニジゴン失踪と言うまさかの事態に。
変身アイテムが生きているからこその大事件。
視聴者としては、冥黒マルガム事件を宝太郎がまだ気にしてくれているのが嬉しい。視聴者にとっても、アレは忘れがたい、辛い事件でした。
そこへ現れたジェルマンと再戦する宝太郎とりんね。
プラチナガッチャードは未だ色褪せぬ頼もしさではあるものの、冥黒王の前には旗色悪し。
大爆発を受けるダブルライダーで次回へ続く!
ヒキとしてはド定番ながら、本作では意外と珍しいかもですね。