第7話『満月の答え』
地下から現れた怪獣ホムガー。
町に危機をもたらすその怪獣にはある事情があった……。
新たな怪獣ホムガー登場。
表面は火山のようでありながらも、トラに見えると言う秀逸なデザインですね。
マグマの熱している部分と冷えた部分を虎のシマシマに見立てるとは、目からうろこ。
そんな怪獣の事情を代弁する精霊の少女。
本人はホムガーと人間の共存のために居る、とのことですが、あくまでもホムガーの事情優先。
とはいえ、彼女にとっては親友とも分身とも言えるであろうホムガーが、人生、もとい怪獣生最期の出産を迎えるとあってはピリピリするのも分かると言う物。
とはいえ、人間にとっては星元市と言うナワバリを破壊されては困る。
これはどちらが悪いと言う話でも無いですよね。
町を巻き込む爆発と共に出産するホムガー、町で生活する人間。
どちらも”そう言う生態”でしかなく、それが運悪くぶつかってしまった、と言う。
映像的にも、どちらかを同情的、あるいは悪辣に映るようにはしていなかったように観えました。
こうした部分を、安易に完全懲悪の問題にスライドさせないのは好感が持てます。
さて、人間とホムガーの両者の事情を知ることになったユウマ=アーク。
人間でも怪獣とも違う、はざまに立つ、第3の立ち位置としてどう動くか、と言うのが物語の焦点になっていきました。
ミサイル攻撃が始まる中(これも一概に間違った判断とは言えない)、ホムガーを移動させようとするも激しい抵抗にあうアーク。
ひょっとするとホムガーは、お産を控えて、気が立っているのかもしれません。
人間とホムガー、どちらにとっても危機が迫る中、ユウマは母の言葉を思い出し、新たな力、ルーナアーマーに覚醒。
質量を持った残像、と言う凝った映像表現に唸らされますね。
ルーナの力で爆発の規模を抑え、ホムガーのお産も無事成功。
事件後、「アークがホムガーの赤ん坊を見逃した」と言う人間視点の鋭い意見を持ち込む石堂さん。
やはり、今回の事件が”いい怪獣”の話ではないと言うことを思い出させてくれます。
それに対して、「アークにばかり頼るわけには行かない」と返す所長。
事件を総括するポジションが板についてきましたね。
そして、遠い未来、次なるホムガー出現/出産に備え、正確な記録を残すことが大切だと独白するユウマ。
今回も、怪獣への不明点からSKIPが動いた、なんて話もありましたからね。
相手を知ることで、相互理解には遠くとも、未来の人々は、より良い対策を立てやすくなることでしょう。