第20話「牙を剥く偽りの希望」
前回に続き、エディオムがユカに突き付ける、大いなる力の負の側面。
まずは、『デッカー』世界の、善悪両面で活躍したテラフェイザー。
個人的にはアサカゲ博士=アガムスについつい注目してしまうところ。
「いけー!ハネジロー!」は本心だったんだろうなあ、とか。
あまりの不幸に心がつぶれ、狂うしか無かった人。
そんな彼が作ったテラフェイザーが時に人類に牙を剥き、時に人類を守る頼もしい盾となるのだから、世の中とは分からないものです。
そして、遂に触れられる『Z』世界の負の側面、D4と特空機4号ウルトロイドゼロ。
この辺りは、今までもユカ隊員の言動の端々からチラホラと感じられていたので、遂に来た、来てしまった、と言う所。
『スターズ』でも既に触れたヤプールからの流れで完成したD4。
特空機に搭載するには、あまりにもオーバースペックと言う感がありますけれど、セレブロの暗躍もあって、そんな意識は防衛軍の中ではすっかり麻痺してしまっている、と。
そのトリガーを任せられてしまったヨウコ先輩の表情が、今回も実に印象的。
D4を撃つに至る流れも、今回もしっかり拾われていて、ヨウコ先輩が決して「好き好んで撃ったわけじゃない」ことが切に伝わってきます。
ウルトロイドゼロは、防衛兵器の姿では、キレキレの格闘戦が素晴らしいですね。
技を受けたパゴスも、何気に高速スピンを見せていたりと、演者さん達の身体能力を活かした大活躍。
それだけに、D4レイ発射、そして殲滅機甲獣デストルドス誕生と言う苦い結果に終わるのが辛い。
考えてみれば、単純に「最強の特空機」が欲しいのなら、ウルトロイドゼロやD4を再生産すれば良い、と言う考え方もできるんですよね。
逆に言えば、新たなる最強の特空機は第2、第3のウルトロイドゼロになりうる、と言う事でもあります。
ウルトロイドゼロの事件は、ユカにとっても大きな心の傷。
けれども、その事件を体験したユカだからこそ、間違えてはいけないことも、できることもある―――のかもしれません。
これはエディオムにとっても辛い選択だった筈。
しかし、ユカのことを友達だと思うからこそ、避けるべきではないと決断したのだろう、と感じ取れます。
これまでの積み重ねの妙。
相変わらず番組構成がエグいくらいに巧みであることに唸らされます。
一方で、いまこの瞬間、本当に『ウルトラマンZ』の世界の”その後”を描いてる!この番組はまさに『続・ウルトラマンZ』じゃん!とテンションがアガってしまうのはオタクのサガか(苦笑)
さて、次回。
イグニスの帰還。
ヒトがあまりに大きすぎる力を手にした歴史を知るユカと、ヒトの身でありながら巨人の力を手にしたイグニスの再会は、何をもたらすのか……?