ムソウノカキオキ

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『ウルトラマンブレーザー』第6話簡単感想

 謎めいた光線を使って地球を侵略せんとするカナン星人がヤスノブ隊員の前に現れ……と『ウルトラマン』としてはド直球の、一周回ってイマドキ珍しい位の宇宙人侵略回。
 直球だからこそ適度なリアリティや隊員同士の関係性など、作品の個性が光る良エピソードでした。

 有能なヤスノブについつい仕事を頼みすぎていた……と言う、なんだかリアルの仕事でもありそうなトラブル。
 やはり、『ブレーザー』にはお仕事モノとしての魅力があります。

 そんなSKaRDを叱る役が我らがテルアキ副隊長。
 あのゲント隊長さえ逆らえないピシっとしたお叱りをしつつ、トマトを届けると言う口実で2人が話す機会を設ける、と言う見事なオカンぶり。(トマトの量が明らかに多すぎるのはご愛敬)
 そのあと、トマトの意図をキチンと口に出すのは、子供番組らしい分かりやすさであると同時に、「察しろ」で済まさない副隊長の親切さを感じます。
 一連の叱り方が感情的ではない=怒っていないのも良いですよね。
 何が駄目なのかと言語化して、感情的にならずに説明できる副隊長の姿もまた、理想の上司像の一つと言えましょう。
 それは言い換えると、痛い所を的確に突いてくると言う意味でもあるので、ゲント隊長が苦い顔をするのも道理ではあるのですけれど(笑)

 一方のヤスノブ隊員の前に現れたカナン星人。本作としては初登場の侵略宇宙人ですが、作品世界的には初めてではないのか、この辺は結構サラっと流されましたね。
 宇宙人なんているわけがない、みたいな(いかにもリアリズムを感じさせてます風な)やりとりは見事にショートカット。
 『ウルトラマンブレーザー』では、盛れる部分のリアリティは盛りつつも、ベースとなる怪獣や宇宙人といった不思議な存在は「あるもの」として扱っている、そんなバランス感覚が素敵です。

 そんなカナン星人ですが、侵略対象の星のコインランドリーを堂々と使って見せるなど、妙なナマっぽさがあるキャラクター。
 ほかにも、ダジャレを披露するなど、地球の生活をずいぶんエンジョイしている様子。
 しかしながら、それで侵略の手を緩める様子も無く、ヤスノブに対する発言も自分たちの都合を押し付けているだけ。
 カナン星の文化の違い、では片づけられない悪辣さが感じられます。

 一方、ヤスノブ隊員とゲント隊長の私服姿にも、個人的には注目したいところ。
 イマドキなパーカースタイルのヤスノブ隊員と、大人っぽく落ち着いた色合いでまとめたゲント隊長。
 (あ、ゲント隊長また私服の上にプロテクター着てる……)
 両者とも、ことさら洋服にお金はかけないけれども、大人として身だしなみにはそれなりに気を使っている、と言ったパーソナリティが読み取れて良いですね。
 本作の洋服の選び方、良い意味で子供番組らしからぬ面が感じられて、衣装スタッフさんの見事な仕事ぶりには毎回ほんっっっとうに感服しています。

 ヤスノブ隊員の筋肉やら田口監督のカメオ出演(お当番回でも無いのに!?)と言ったすったもんだがありつつも、カナン星人を追いつめるSKaRD。

 アースガロンを操られつつも、ウルトラマンと共に人的被害を出さないよう奮闘しているのが見事ですよね。
 ヤスノブ隊員の必死の説得で自我を取り戻したのか、誤動作だったのか。
 腰を捩じりに捩じるブレーザーさんに、この人は本当に今までのシリーズのウルトラマンとは別の種類の生命体なんだなぁ、としみじみ思いつつも大団円。
 
 アースガロンの誤動作かもしれないという現実的な選択肢を提示しつつも、アースガロンの意志だったと言う結論を選ぶゲント隊長とヤスノブ隊員が良いですね。
 機械であれ人間であれ、良い仕事をしてくれる相手には感謝をもって接することが大切なのかな、と感じさせてくれる、どこか心温まるエピソードでした。