ついに最終回!
いわゆる『総集編』、『再放送』を兼ねたシリーズではあるものの、こんな激アツなドラマが観られるとは、『ウルトラマン列伝』から長年続く円谷さんの職人芸には唸らされます。
逆に言えば、基本は男児向けである『ウルトラマン』シリーズで女性であるユカ隊員をバッチリ主人公に据えられるのは、この枠ならでは、とも言えますけれど。
そんなわけで、ユカ隊員のドラマを彩るのは、己の心に従って戦い抜いた仲間たちの、歴代最終決戦ラッシュ!
ニュージェネ最初期でありつつも、今なお燦然と輝く『ギンガS』最終決戦。
ユカ隊員がデストルドスのことを想起することから、やはりあの出来事は彼女に暗い影を落としているのだなと改めて感じられます。
思えば、本シリーズはユカ隊員とこのトラウマとの戦いだったとも言えますね。
一方で、手を取り合うのに種族は関係ない、というところに爽やかに同意するイグニスも彼らしい。
続いては『ウルトラマンX』最終決戦、
グリーザの戦い方は、ユカ隊員にとってはこちらもデストルドスを想起させるもの。
ラスボスを張ったときだけあり、このときのグリーザは、『Z』戦よりも強いとユカ隊員に言わしめるほど。
怪獣の声
大空大地の抱く、怪獣との共存と言う夢は、本編でも明確なアンサーが出なかったほど容易ならざるもの。
しかし、生きる、という最も本能的なものを肯定するからこそ、怪獣たちも応えてくれたのかもしれません。
そして生まれたハイブリッドアーマー。結構な強豪怪獣たちもユナイトしているだけあり、とんでもない強さ。本編ではどうしてもウルティメイトザナディウムを放つための形態になった感はありますけれど、いずれ活躍する機会はあるのかしら。
そして、もちろん、オオタ・ユカ隊員もまた凄まじい最終決戦に勝利をもぎ取ったウルトラ・プライドの持ち主。
と、言う訳で最後は『ウルトラマンZ』最終回。
逆境の中にあって、それぞれが力の限りを尽くし、ヨウコ隊員を助け、デストルドスを倒すと言う最上の勝利。
難しい状況の中で解析してみせたユカも、もちろんその勝利の立役者です。
強き意志を宿した心に、セレブロなぞが入る余地は無いのです!」と高らかに語るエディオムも誇らしげ。
友達であるユカらの大活躍を自慢したい気持ちになったのかしら。
そして、オープニングテーマ「ULTRA PRIDE」をバックにしたゼットのラストバトル!
全くもってこのシーン用の曲では無いのですが―――ビックリするくらいにマッチしていますね!!
ユカ隊員も参加している曲を背景に、誇りを胸に戦うハルキとゼットの姿が胸を熱くしてくれました。
こうして改めて立ち上がったユカ隊員。
役目を終え、別れを惜しむエディオムとイグニスへの、ユカ隊員の頼み。
これまでの記憶を消して欲しい、と言う物。
まぁ、今後の展開を考えると、ユカ隊員が色々知ってるとややこしいですしね、と言う話でもあり、シリーズの中でマルチバースを知ってヘンに引き比べて迷うことも多かったユカ隊員なので、その方が良いのかも。
寂しい話ではあるものの、三人の間には確固たる友情が生まれたのも確か。
そして、イグニスの超能力(そんなのあったの!?)により記憶が消されたユカ。
記憶は無くとも、その過程で生まれた思いは確かに彼女の中に息づいていて。
強化セブンガーが目指すのは『平和利用』と言う役割の強化。
火力等の強化は、他の機体が担えば十分な役回りでもあります。
力だけではない方向性を強化することは、セブンガーにしかできない、新たな役割を果たすことに繋がることでしょう。
と言う訳で最終回を迎えた、第2期『ニュージェネレーションスターズ』。
クロスオーバーの楽しみがこれまでにも増して強いシリーズでした。
『ウルトラマンZ』のオオタ・ユカ。
『ウルトラマントリガー』のイグニス。
『ニュージェネレーションスターズ』のエディオム。
異なる作品=バックボーンを背負った3人のレギュラー陣。
そこへ、さまざまなニュージェネレーションウルトラマンの情報が交わることによって生まれる化学反応。
特に、超越的な立場のウルトラマンではない、ユカ隊員だからこそのリアクションは新鮮な限り。
そこから生まれるユカ隊員の迷い、思わぬ形で露わになる苦悩。
(天才ではあるものの)比較的常人よりのユカ隊員が、常人なりの目線で乗り越えていく姿に胸を打たれました。
ユカ隊員を不思議な時間へと誘うエディオムとの友情劇も素晴らしい。謎めいたロボットと言う導入だったものの、いつしか2人の掛け合いが板についていました。
また、二人揃って姿を見せて欲しいな、と思うくらいに。
さて、次回から遂に新たなウルトラマン、アークの登場。
どのような光の絆の物語が紡がれていくのか、今から想像力が刺激される限りです。