ムソウノカキオキ

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映画『グリッドマンユニバース』感想~独りじゃない、いつの日も、どこまでも~

現在絶賛公開中の映画『グリッドマンユニバース』を観てまいりましたので感想をば。

ここから先ネタバレありなのでご注意ください。

 

青春ラブコメあり、クロスオーバーアクションあり……、と期待を超えるものを見せてくれました。

 特に、響裕太の青春恋物語が映画の軸として通っているのが嬉しい。
 アニメ版では”響裕太として振る舞っていたのはグリッドマンでした”と言うオチの都合上、実は出番が殆どなかった裕太。
 登場人物の多い本作で、彼がしっかり主人公をすることで、その人となりが自然に描かれる形となります(あるいは、視聴者の期待通りの少年であることを知る)

 そこに『SSSS.DYNAZENON』チームの来訪など様々な異変(イベント)が絡むことで、緩急のあるドラマが展開されています。

 

 そんな裕太少年の心の動きを追いかけるだけでも満足度が高いのですが、戦闘シーンも大迫力。
 特撮リスペクトの巨大感・重量感が感じられる演出も健在。
 終盤は動きのダイナミズムに加えて、キャラデザの情報量がそもそも多いので、何が何やらと思うところも。
 グリッドマン&ダイナゼノンのギミックも活かした様々な組み合わせの戦い方が描かれ、端的に言って、玩具が欲しくなる(爆)
 まさに特撮ヒーローもののクロスオーバーの王道でした!

 

 と言うところで終わるかと思いきや、メタフィクションに両足を突っ込んだ難解なパートが来るとは思わなんだ!?
 もはや実写パートさえかわいく見えてくる(いや、新条アカネの日常パートを描くのに必要なだけなんですけどね、実写パート)
 今回明かされた、『SSSS.DYNAZENON』世界と『SSSS.GRIDMAN』世界の関係。
 ダイナゼノン世界はグリッドマンによって生み出された存在だった、と。
 おそらくは、
 現実世界
 ↓
 ハイパーワールド&コンピューターワールド(SSSS.GRIDMAN世界)
 ↓
 グリッドマンユニバース(『SSSS.DYNAZENON』世界)
 と言った階層構造になっているということ!?
 『原作:グリッドマン』(クレジット)とはそういうこと!?
 そもそも、『SSSS.GRIDMAN』と言う作品自体、『電光超人グリッドマン』あってこその作品でもあるので、この解釈さえ間違っている可能性はあります。
 『エヴァンゲリオン』の影響を受けた本作らしく、なんともメタメタしい、難解な設定ではあります。
 けれど、ここで嬉しかったのは『SSSS.GRIDMAN』に関連するすべての作品群、通称『GRIDMAN UNIERSE』が包括され、肯定されていること。
 「俺たちは日陰者サ!」みたいな雰囲気を出している『グリッドマン・ドグマ』さんだって、グリッドマンユニバースの一員なんだ!(他のUNIVERSE作品と一緒にキチンとクレジットされているの、見逃しませんでしたよ!)
 『むつかしげにすること』では無く、アニメの展開に伴って数多の作品への感謝が感じられました。
 人間は創作を信じることのできる唯一の存在、と言う怪獣少女の言葉は、創作への最高の賛歌であり、UNIVERSE作品への最大の感謝の言葉に思えました。

 

 なればこそ、「グリッドマンは俺のものだ!」と言う制作サイドの心の闇を代弁したような(勘ぐりすぎ)黒幕は、意志があるように見えるだけの薄っぺらい存在。
 グリッドマンは誰かに独占されるものでは無く、しかし他者と広く繋がっていく存在。
 ローグカイゼルグリッドマンと言う、特撮のお約束な姿も、そうした繋がりの形。
 グリッドマンはこれからも独りじゃない、いつの日も、どこまでも。
 そんなことを感じられる作品でした。

 

余談
 ダイナゼノンチーム、TV本編だとワケアリ感が感じられるので、本作でほのぼのした姿が観られるのが嬉しいですね。
 蓬と夢芽のバカップルは全編ずっとイチャついてばかりだった気がするのはご愛敬(笑)。
 
 新条アカネ、観る前は下手に登場したら台無しだよなあと思っていたら、その存在をすごく丁寧に扱ってくれたのが嬉しい。
 アレクシスロボ(違)に乗ってハデな衣装に変身したり、ゴルドバーンを大きくしたりとやりたい放題なのはマジ神様。
 立花との友情は、敢えて言葉を交わさないと言う見せ方も良い。
 現実に帰ったら友達とゴミ拾いをしているというのも、かつての姿を思うと感慨深い限り。