ムソウノカキオキ

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『ウルトラマンブレーザー』第17話簡単感想

 何よりもまず、今回は幽霊怪獣たちの魅力的なビジュアルが魅力的!
 タガヌラーのシーンは、キャストさんに寄った、手持ちカメラのようなナマっぽい映像に、巨大なタガヌラーがビルの上に居ると言う異常事態が対照的。
 レヴィーラの演出も凝っていましたし、幽霊怪獣を素晴らしい映像で魅せてくれるのがありがたいです。

 そんな幽霊怪獣に対し、SKaRDメンバーがそれぞれがあり得そうな可能性(幻覚、催眠、プロジェクター)を検証していくのが、短いながらもスマート。
 余談ですが、昔観た昭和ウルトラの再放送で大した検証もせずに「怪獣じゃなくて立体映像だ、防衛隊の仕事じゃない」と即断した隊(とんでもねえ雑さ!とは現代的な主観か)があるのを思い出して、しみじみ思ったり。
 

 ノヴァイオ社のしぶとさにもクスリ。
 ああもやらかしといて「新生、ノヴァイオ」じゃないよ!?
 何気に、写真のみとはいえ、曾根崎さんもクレジットされているんですよね。
 そんなノヴァイオ跡地に現れた、謎の男ことザンギル。

 レトロな喫茶店を舞台に、防衛隊長と宇宙人の会合と言うミスマッチ感が面白い。
 名を名乗るザンギルに対し、「名乗れない」と語り、遠回しな自己紹介から入るゲント隊長は、相手が宇宙人である重要性を鑑みる防衛隊らしい慎重な対応。
 距離感を探るところから会話が始まるのが『コミュニケーション』をテーマとする本作らしいところ。
 ……なのが、ラストでキレイに着地するのですから、本作の脚本は本当にムダが無い。

 ザンギルが語る来歴は、なんとも不思議なヒーロー誕生の物語。
 ウルトラマン同士でこそないものの、ブレーザー(ゲント隊長)とザンギルの邂逅は、ヒーロー同士のクロスオーバー的な面白さのあるシーン。
 本作では、あまり多くのヒーローが登場しないので、これだけでも新鮮でワクワクします。

 ザンギルに幽霊怪獣を斬る力を与えた”達人”の姿は、名前こそ出ないものの、どう見ても宇宙剣豪ザムシャー!
 かつてはまさにザンギルのような男だったのが、守るための強さを学んだと言う経緯を持つザムシャー。
 おそらくは『ブレーザー』世界のザムシャーなのでしょうが、そんな彼がザンギルの生き方(?)を変えた経緯は、まるで志が継承されていくようで、『ウルトラマンメビウス』ファンとしては胸の奥が温かくなりました。


 ザンギルが斬るハズだった怪獣が、しかし怨霊として復活してしまう……。
 と、言う訳で今回はニジカガチ再登場回であることがようやっと明かされました。
 次回予告も含めたタメがたっぷり効いた種明かしでした。
 初登場で猛威を振るった怪獣だけに、その緊張感も一塩。
 生と死の狭間に居ると言う何でもあり状態を差し引いても十分すぎるほど厄介な強敵です。
 この復活に、横峯教授が一切かかわってないあたりも、ニジカガチが人間の理解を大きく超えた存在なのだろうな、と感じられます。

 怨霊を斬る方法を最後まで聞く前に戦闘開始、と言うのはお約束な流れですが、それが人助けのためと言うのが実にゲント隊長らしい。


 戦闘シーンは時代劇の殺陣を思わせる、剣をピックアップしたものに。
 プロレス的な趣が多いウルトラシリーズにあっては新鮮なビジュアル。
 やったか!?と思いきや、真っ二つにされたニジカガチが両側からザンギルを取り込む!?
 両断された怪獣のマイルドな表現は随分と練られてきましたし、今回は怨霊であると言うこともあり、ドストレートなビジュアルに……いや、しかし、ブラック且つシュールなビジュアルですな!?
 
 そんなニジカガチinザンギルを峰打ちでどうにか止めるブレーザー
 最初の映像上でも、よく見るとキチンとカタナを反しているのが分かるのが良いですね。
 最後は2人でニジカガチにトドメ!
 爆炎を背に並び立つ姿は、まさにヒーロー揃い踏み!……で終わらないのが本作。

 自らもまた、さまよう魂であった、と明かすザンギルに、最後の最後に自分とブレーザーを紹介するゲント隊長。
 共闘した相手への敬意と、去り行く者への礼儀か。
 剣士なだけあり、ザンギルの死生観はサッパリしていても……
 「コーヒーがまだだぞ」
 「それだけが唯一、心残りじゃのう」

 瞳に悲しみをたたえ、手向けるようにコーヒーを頂くゲント隊長。
 コーヒーのような苦さも飲み込める、大人な彼らしいエンディングでした。