ムソウノカキオキ

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『ウルトラマンブレーザー』第18話簡単感想

 

 今回は、『ブレーザー』らしい怪獣攻略ミッションにゲントとエミのドラマがピリっとシメてくれる構成。

 ココで改めて感じるのは、自分の中に”『ブレーザー』らしさ”と言う物がすっかり出来上がっていること。
 最初の1クールかけて、作品のカラーをきっちりPRすることに成功していて、この第2クールに入ってからは1クール目に近いエピソードも、敢えて離れたエピソードも展開。
 こうしたつくり方が違和感なく受け入れられることに、改めてウルトラマンシリーズの懐の広さを感じました。


 新たに出現した怪獣イルーゴへの対処に追われる防衛隊。
広範囲に被害を広げかねない怪獣への対処に、ゲントは、いつしか家庭が疎かに。
 仕事と家庭で板挟みになる回が遂に来た形になります。
 「施設課の仕事ってそんなに大変なの?」と問いかけるサトコさんが決して怒っている風では無く、むしろ悲しげなのが辛い。
 彼女に対して「ゴメンとしか……」と言うゲントさん。言い訳しないのは良いことですが、説明しないことは悪いことでもあり。
 それにしても、気遣い大王なゲント隊長が子供からのプレゼントを置きっぱなしにするとは、イルーゴの対処が相当な難物であることが見て取れます。
 考えて見れば、特機団に居たころから、あるいはその前から家族に対して施設課所属で通していたゲントさん。
 サトコさんには、かねてからお仕事の実態は気付かれていたのかもしれません。
 それでもなお、夫から噓を吐かれていたことをとがめだてしないサトコさんは本当に良い人。
 良い人同士、好き同士だからこそ、もどかしい問題ではあります。


 一方で、父の足跡を追うエミ隊員のドラマも交差。
 家族のことで物思いにふけるゲントさんに、「頑張れ、お父さん!」と檄を飛ばすエミ隊員。
 彼女が(仕事以外の部分で)ゲントさんに抱いている感情は父性に近いものなのかな、と感じられます。
 敢えてカテゴライズするなら、ですが。


 エミがついに接触した父の同僚、西崎。
 西崎への矢継ぎ早に繰り出されるエミの質問。
 父は生きているのか。
 やはり、と言うべきか父の安否こそがエミの最も知りたかったこと。
 ご遺体も無いのに、死んだとは割り切れない、ハッキリしていないことをそのまま流せないのが人の情であり、エミさんらしさでもあります。


 (画面外での)テルアキとヤスノブの懸命な捜査で、空気の正常化に目途が。
 この2人のコンビも、板についてきた感がありますね。
 アースガロンを巨大な空気清浄機として使うとは。
 なるほど、怪獣によりもたらされる空気汚染なら、怪獣サイズの空気清浄機があれば打開可能、と言うのはなんとも説得力があります。
 「飛んだら駄目やで、アーくん」と言う会話から、おそらくは飛行の際に使われる挙動を応用しているのだろうなと感じられるのがリアル感。

 前段階として登場した自走レーザー砲は『ウルトラマンガイア』のシーガルファントップ(改造)。
 同時に登場した戦闘機も赤と銀のウルトラマンカラーで、短いシーンながらオマージュたっぷりでした。


 テレビクルーの救出へ向かうゲント隊長。
 使っているのはビーム銃ではあるものの、現実的な災害現場を思わせるやり取り。
 クルーの方も、こうした事態を取材することは多いためか、あるいは撮影準備の時のやり取りのノリなのか、落ち着いた対応なのが面白いですね。あるいは、パニックを起こしている……みたいな描写をショートカットするためにテレビクルーを登場させたと言う脚本の流れがあるのかもしれません。
 
 一方、スムーズに対処できているかと思われたアースガロンの前に、イルーゴが姿を変えたゲバルガが。
 自分も、イルーゴが明らかに質量の違うゲバルガへとこんな形で変身するとは思わなかったので、驚きでした。
 いや、もう少し段階を踏みません!?
 さらに、別の個体も出現と言う大ピンチ。
 ソフビの情報で明かされていたとはいえ、段階をすっ飛ばした怒涛の展開に。
 アースガロンの提案に、テルアキ副隊長がブレーザーに呼びかけての事態打開。
 SKaRD的には、ブレーザーに言葉が通じるかは賭けな部分もあったでしょうに、良く決断してくれました!と言う思いです。
 

 そして、ついにアースガロンの単独撃破!
 わが身を顧みぬミサイル攻撃にゼロ距離射撃、と言うタフな戦いぶりも素晴らしい。
 いくら鋼の身体と言っても、搭乗しているメンバーには当然にリスキーなわけで、テルアキとヤスノブの思い切りが伺えます。
 ブレーザーに先んじての怪獣撃破はかねてより参謀長より下された命令ではあったものの、今回はそこに敢えて言及しないのは、むしろ好感が持てました。
 SKaRDは出世や命令のためではなく、人助けのために怪獣と戦っているのだ、と言うことが自然と伺えます。

 副隊長の助言を受けて、チルソナイトソードで空気を正常化したブレーザー
 イルーゴたちも弱体化!と言うタイミングで挿入歌の『IGNITION』!
 まさに”空気が変わった”ことが感じられるアツい演出でしたね。
 『IGNITION』は主題歌のカップリング曲と言うことで、もはや耳馴染みがあると言う方も多かったのでは無いでしょうか。

 チルソナイトソードの鮮やかな一閃で2体の怪獣を斬り倒すブレーザー
 ブレーザーは刀らしい剣術を駆使してくれるのが嬉しいですね。


 戦い終わって。
 救助の様子をテレビクルーに撮影されていたゲント隊長。(テレビクルー、あんなときに胆力あるなぁ!?)
 映像を観たエミが表情を少しだけ柔らかくしていたのが良いですね。
 ジュンくんとサトコさんも、ゲント隊長の姿に気づいていました。
 夫の仕事を期せずして目の当たりにすることになったサトコさん。
 施設課云々はもはやお見通しなのでしょうけれど、ゲントさんに望むのは「”あんまり”無茶をしないで」
 こういう人だからこそ、ゲントさんは結婚したのだろうし、ゲントさんの妻ができるのだろうな、と改めて感じられるやり取り。
 抱っこされたジュンくんが、ゲントさんのブレスレットを笑顔で見るのが良いですよね。
 そこから「パパ、カッコよかった」みたいな言葉ではなく、普段通りの和やかな会話が始まらないのが当世風。
 家族から仕事まで肯定されることがお話のゴール地点でなくても良い、と言うのが良いですね。
 それになにより、仕事とは関係なく、この穏やかなヒルマ家の日常こそが、ゲントさんの守りたいものなのでしょう。
 
 ……と、ほっこり終われるわけもなく。
 いまだ油断なくエミを監視し続ける土橋一派。
 そして、再び牙をむくイルーゴ。
 風雲急を告げる時、次元を超えてブレーザーに新たな力が舞い降りるのか!?