新たな怪獣、月光怪獣デルタンダル。
体にあからさまな月の意匠があるのでなく、月夜にあらわれる『月光』怪獣と言うネーミングがオシャレですね。
謎めいた怪獣に、宇宙からの侵攻『サード・ウェイブ』なのでは……?とピリついているらしい上層部。
コイツは何者なのか?という話が展開するのは、完全新規の怪獣だからこそですね。
そんなデルタンダルを討ち漏らしたことで、強く叱責するハルノ参謀長。
だいぶブラックに見える参謀長ですが、上層部の危機感を肌で感じている身であれば仕方ないのかな、とも思えますね。
さらには、次の侵攻で市民に死傷者が出る可能性を考えると、SKaRDには一秒でも早く怪獣退治をしてもらわなくてはなりません。防衛隊の戦いには人命がかかっている、と言うのは第1話から通底しているテーマ。
謎の『V99』を追求するエミ隊員。
今回は、優秀な情報収集能力を持つ彼女のパーソナルなところに踏み込んだエピソード。
前回「遊びで防衛隊のサーバーをクラッキングして~」と語っていましたが、そこには動機があった、と。
SKaRDはあくまで職場での繋がりであり、どこか謎めいていたエミ隊員だけに、実はパーソナルな事情があったと言う展開は、驚きはあれど違和感は無い展開です。
ところで、スウェット姿で通話するエミ隊員の背後に、誰かいましたよね……?
彼女にも誰か協力者がいるということか。もしかしたら今後に関わってくる人物なのかもしれません。
しかし、スウェット姿で「関係者以外立ち入り禁止」とのたまうエミ隊員、どういう設定でココへもぐりこんだんでしょう?
そんな彼女の前に現れた、ドバシ・ユウ。
演じるのはウルトラマンシリーズでもしばしば重要な役を務められた名優、寺田農さん。
御年80歳とのことですが、役と同様、まさに衰えを知らぬ名演でした。
長官の職から退役してなお、防衛隊に強い影響力を持ち、そして第66実験施設の管理者であった底知れぬ人物。
果たして、敵か、味方か。いえ、『誰にとっての』敵か、味方か、今後の動向が注目の人物。
それと並行して描かれる、デルタンダルを追うSKaRD。
夕焼けのアースガロンの足元の隊員たちが違和感なく馴染んでいる合成、短いシーンながら凄いですよね。
アースガロンの演技も相まって、巨大なメカニックが山の中を動いている、と言う説得力が感じられました。
そこで、脱皮と言う私達にも馴染みのあるワードから、実は地球怪獣であった、と言う意外な正体が判明。
司令部の推測は大外れだったわけですが、こんなステルス機みたいな怪獣が地球の生き物なワケあるかい!となるのは至極もっとも。
そんな中でもコミカルシーンがあるのが楽しい所。
SKaRDMOP命名:モッピー(カワイイ!)、ノーコン呼ばわりされるアンリ隊員(ひどい!)
これまでの積み重ねが見られるシーンも多く、特にブレーザーへの変身シーンは、ゲント隊長がこれまで以上に自らの意志で能動的に変身していることが感じられる流れでした。
常に飛行しているデルタンダルとの戦いはいずれも大迫力。
初戦で炎の中から出てくるアースガロンをはじめ、空中で激しく揉み合う怪獣とブレーザー、と空戦ならではの緊張感と、目まぐるしいカメラワークが凄まじい。
レインボー光輪にチルソナイトソード、とストーンを使った能力に短い中でもキッチリ見せ場があるのが嬉しい。
戦いが終わり、暗い基地内(明かり点けて!)で言葉を交わすエミとゲント。
主人公であるゲント隊長が切り込まれる側になる、と言うのが面白い構図ですね。
できれば全員助けたかった、と語るゲント隊長の姿は、エミから「ちょっと救われました」と言う言葉を引き出すに足る説得力を感じる真剣さと真摯さ。
「良いよ」から、「許可する、やれ」と隊長としての命令として言い直すゲント隊長に彼の本気さが感じられます。
そして、エミ隊員も「Wilco」と隊員として応じ、第66実験施設へ向かう。
「おじさん」とハルノ・レツを呼ぶエミからは、今までになく彼女の素の姿が感じられましたね。
そして、ハルノはあくまで参謀長としての仮面を被り、何も答えず。
果たして、V99とは一体……と言うところで次回へ。
新エンディング『Brave Blazer』はこの手の番組では珍しいテクノ・ポップ。
歌詞は、番組のテーマに踏み込んだ内容になっていて、さりげなくブレーザーの声が入っているのもオシャレ。
シリアスな今回から一変、次回は子供たちの描いたユルカワ怪獣・ガヴァドン登場!?