限定上映中の『Vシネクスト 仮面ライダーセイバー 深罪の三重奏』を先日、観てまいりましたので、簡単に感想をば。
エンディングテーマ良かったですね。
いわゆる、『特撮ヒーローの曲』とは違ったジャズ・テイスト。
自分的に好きな曲なので、フル版が配信されたら是非購入しようかと思っております。
音楽だけでなく、劇場だと全般的に音響の効果は大きいので、可能であれば是非一度劇場でご覧いただきたい作品です。
(では、ここからはネタバレ注意!……いえ、核心的な話は避けておりますが、本作は前情報を入れずに観た方がゼッタイ楽しめるタイプの作品なので、未鑑賞の方はご注意を)
10年は一昔。
— UG/YM (@fai2blst) 2022年2月3日
9年だと少し遠い。
8年だと、その重みが身近に感じられる気がする。
そんな数字のマジック。#仮面ライダーセイバー#深罪の三重奏
8年。
あなたがすごしてきた、これまでの8年はどのようなものだったでしょう。
きっと、大変だったことも、嬉しかったこともあった時間だったのではないでしょうか。
この作品を観て、自分の8年間はどうだっただろうか、なんてふと思い返してみたり。
ふと、そんなアンニュイな気分に浸りたくなる作品でした。
で、内容は……。
バリッバリにエネルギーのある、熱いドラマでした。
上映時間は映画としては少し短めですが、これ以上長かったら、観ていてグロッキーになっていたかも?
クライマックスでは、倫太郎が、賢人が、そして飛羽真がとにかく叫ぶ!
そうだよ、『仮面ライダーセイバー』ってこういうドラマだった!と再認識させられました。
そう、みんなとにかく叫ぶ。
自分の思いを、人生を。
別に8年経って大人になったからって、まぁまぁなぁなぁで済ませる登場人物がどこにもいない。
それは、偏に皆が、自分の人生に対して本気だから。
飛羽真たちはもちろん、本作登場の新キャラクターたちも含め、嘘のない思いをぶつけあう。
新キャラクターのキャストさんも、演技が上手い方をキャスティングされていたので、日常のお芝居から戦闘まで実に引き込まれました。
雰囲気こそ、『セイバー』らしい華やかなビジュアルを封じた、シックな感じ。(もっとバリバリ戦闘シーンがあると思っていた方も多かったのでは?)
だからこそ、8年経っても変わらない、それぞれのブレない・譲れない芯の部分が際立っていました。
何事にもまっすぐに真摯に向き合う新堂倫太郎(仮面ライダーブレイズ)。
大切なもののために全力をかける富加宮賢人(仮面ライダーエスパーダ)。
そして、人間を、他者を肯定する神山飛羽真(仮面ライダーセイバー)。
それぞれの芯をもって、それぞれの物語に向き合っていて、8年経っての変化はあれど、彼らは本当に変わらないなと思ったり。
ドラマの部分では、結構な仕掛けがあり、ちょっぴり複雑な感じ。それに伴う映像のテンポが小気味良く感じたり。
けれども、物語の大切な仕掛けは、少々カンが働けば気づきやすく、観ていて完全にワケが分からなくなるほどでは無いかと。
同時にきちんと考察のし甲斐がある、という塩梅。
参考までに、自分は推理小説を読んで最後まで真相がわからないタイプですが、それでも本作の大事な仕掛けは途中で何となく気づけました。
もし分からなくても、十分楽しめるかと。
隠している部分はあれど、最後の最後で『分かりやすさ』に振っている、そんなバランス。
単純に、日常の芝居に見ごたえがあるので、そこを追いかけるだけでも楽しいのではないかと。
なので、普段全くヒーローものを観ないという方でも、あるいはそうした方のほうが楽しめる部分も多いのではとも感じたり。
とにかくいい作品なので、ファン以外の方にも幅広くリーチして欲しいと思わずにはいれらない。
観てから、観ながら、色々なことを考えたり、思いを馳せたり、そうしたことのできる、厚みのある物語に没入させていただきました。