ムソウノカキオキ

管理人の好きなこと(アニメ、特撮、オモチャetc)についてつらつらと語っていくブログです。色々遅いですが、よろしければコメントなどもお気軽にどうぞ

ウルトラマンブレーザー第23話簡単感想

 初の月面作戦。
 犠牲が出るかもしれない、と語られて以降、SKaRDの演技がとにかく素晴らしい、いや凄まじい。
 本作のドラマパートがあまり派手派手しくBGMを使わないスタイルなのがそれを際立たせます。
 生を諦めたわけでは無い、ですが本気で死を覚悟している人間の姿。
 あまりにも死の臭いがヒリつく空気感は、土曜朝の番組であることを忘れてしまいそうになるほど。

 そんな、最期になるかもしれない出撃前の時間を思い思いに使う面々。
 ツクシのおじさん達との思い出の場所を走るアンリ、クルルと静かな時間を過ごすヤスノブ。
 実家に電話をかけるテルアキは、動画などでギャグとして披露された姿が印象に残っていたので、こんなシリアスな場面で観られるとは……!
 
 SPらしき人物を解任し、邸宅で疲れたお爺ちゃんのようになってしまったかに見えたハルノ・レツさん。
 そんな彼の元に訪れたゲント隊長。
 自分は月に行くので守ってやることができません、と語る姿にはさまざまなニュアンスを感じるところ。
 それがハルノ・レツ参謀長への一番の発破になると、ゲント隊長はどこまで予想していたのやら。
 一気に参謀長の顔へと戻り、作戦へ挑むゲント隊長への檄。
 作務衣が軍服にさえ見える演技力の凄みを感じます。
 エミ隊員の父親代わりであり、上司と部下である二人の素晴らしいやり取り。
 ところで参謀長、その手に持った書は一体……?
 
 一方のエミさんはアーくんのコクピットで彼に相談。
 暗く狭い所で調べ物をすることが多い印象のエミさんなので、コクピットは落ち着く、と言う事情もあるのかもしれません。あとは、何を言ってもアーくんがその内容を人に漏らすことは無いだろう、と。
 そんな、おそらくは愚痴を聞いてもらおう、くらいのノリだったのが、まさかの大当たり。
 「言えません」と言った時点で、アーくんもその後の流れは予測できていたのでは無いでしょうか。
 互いに仲間だと語るエミとアーくん、二人とも普段はあまり底が知れないタイプだからこそグッとくるシーンですね。
 
 ゲントさんは家族との平穏な時間。
 この段になっても、彼は明日死ぬかもなんてことを家庭に持ち込みたくないし、家族にもそれを悟られたくないのか。
 それでも、アースガロンの作戦に参加していることを伝えるのは、成長と言えます。
 夕食の時には気さくなパパの姿を見せたゲントさんが明け方には何も告げずに出立しようと不器用で口下手な男性としての姿を見せるのが対照的。
 そんな彼を呼び止めたサトコさんも、ゲントさんの前では普段通りを装いつつも気丈に振る舞い。
 他者を思いやる心の強さ、と言う点ではよく似たご夫婦なのでしょうね。
 

 そんな命がけの作戦にヘイトを集めるドバシ・ユウ。地球の命運がかかる作戦に彼も重い腰を上げた……にしても、やっていることはまるで野球観戦をするおじいちゃんそのもの。
 仕事も責任も無いのに、権限だけは行使する、本来なら司令室では一番優先度の低いハズの人物を誰も無視できないと言う理不尽。
 
 月面はまさにヴァラロンにとって最も有利な戦場に作り替えられていました。
 レーダーで出来るだけヴァラロンのデータを取れ、と言う指示を出すゲント。
 SKaRDの戦い方が、データの少ない宇宙怪獣には不利なことを改めて感じてしまいます。
 爆弾を巧みに操り、アースガロンをあっさりと追いつめるヴァラロン。
 コクピット内に響くゲント隊長の悲鳴がいつも以上に悲痛。
 
 普段は外している結婚指輪にジュンのブレスレット、そしてブレーザーブレス。
 奇しくもゲントの左腕に、身近な者達との繋がりが収束していますね。
 ブレーザーを説得して立ち向かうも、完全にゲントさん側の問題でボロボロのまま戦うことに。
 
 ヴァラロンは設置した爆弾を自在に起爆できる上に、素の戦闘能力が高い厄介な怪獣。
 完全に優勢なまま、ブレーザーの力を奪い取るかのようにパワーアップするとは。
 
 ブレーザーの自己犠牲的な奮闘により、月の軌道こそ辛うじて守ったものの、ヴァラロンは地球へ。
 果たして、人類はヴァラロンを退けることはできるのか?謎のV99の真意とは?そして何より、ブレーザーとゲントさんはどうなってしまうのか?
 ……のこり30分に収まるの、コレ!?